桃栗三年柿八年、ツイード○○年

BERUNです。

今季はニットのオーダーをたくさんいただきました。英国のウールを100%使ったミドルゲージのニット。

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厚みや細部のサイズなど、事細かにお作りしているフルオーダーのため、お客様の満足度が高い製品です。
ミドルゲージニットのオーダーとは珍しいので、好評をいただいています。
オーダーとは言いましても、クルーネックとタートルネックの2択です笑
それだけで十分だと思います。

BERUNのお客様の中でもカジュアル派の方は、フランネルのトラウザーズにタートルネックのニット、上はツイードのチェスターコートというスタイルで、冬はそれ一筋というノームコアのようなシンプルスタイルになっていっている方が多くいらっしゃいます。

毎日の洋服のことを考える、という思考とそれに割く時間は、本職の人でない限りは極力少ないほうがいいでしょう。何も考えず、手を伸ばした洋服を着るだけで自然と美しい姿になる。というのが理想的だと思います。

 

1着2万円程度でオーダー(そもそもオーダーと呼べるのかは疑問ですが)スーツが作れるようになった現代、10万円を超えるスーツは嗜好品のような扱いになってきているかもしれません。
間に合わせで毎年買いつぶすスーツを贖うのではなく、長くいいものを着るというライフスタイルの豊かさを多くの人に知ってほしいと思います。

 そして、折角高いお金を払うのだから、わたしはお客様には”一部の人にしか理解されない洋服”はお作りしません。

もし、トラウザーズだけがダメになっても、ほぼ同一の生地が英国本土には必ずあるであろうシンプルな生地で、ハリと重量感のあるものを主に選びます。
使い捨てる時代に、一つのものを永く着る。

労働力を搾取しているか、どこかに歪みが入っているような労働循環ではなく、作り手、販売者、カスタマーの三方が豊かになる買い物。それは今の時代でもできるはずです。

人生を彩るために、美味しいものを食べたり綺麗な洋服を着る。
そして社会とつながり、貢献する。
そんな循環の中で生きていると、充実感が溢れるし、満たされる。

やはり人はロマンを追って生きていくのがいい。

 

以前のブログで書いておりました、ハリスツイードの3ピースが仕上がってきました。
やはりツイードは3ピースに限る!と確信した仕上がりです。

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シンプルなグレーのヘリンボーン。ジャケットだけなら巷でたくさん見かけますが、3ピースとなると存在感が変わります。写真では伝えきれません。素晴らしく男性的で美しく、半径10m以内の空気が変わるほどの佇まいを醸し出します。

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ウェストコートの姿も美しい。
今の日本の職場環境では、室内でツイードの上着を着ることはあまり考えられないかもしれません。
ツイードの3ピースを着てしまえば、真冬でもコートはトレンチコートで十分です。

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足元はロンドンに行かれた際にジャーミンストリートのトリッカーズで購入したというフルブローグの短靴。
この赤茶の色が英国っぽくていいですね。素晴らしいセレクトです。

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VゾーンにはBERUNのオリジナルウールタイ。
ツイードのような素材が際立っている生地は、他のアイテムも素材感を合わせるのはマストです。ツイードにはウールタイ、と覚えておいてもいいでしょう。

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背中が美しい。
ビスポークの良さは背中に出る。とはよく言われますが、まさにその通りです。
しかも自分が見ようとすると首がねじれるためしわができる。つまり自分本人は一番肝の美しい背中を見ることができないのです笑

よくなで肩の方は、自身の肩を卑下するような言い方をする人が多いように思いますが、それは間違った解釈です。
事実、いかり型よりもなで肩の人の方が、身体が曲線的で流れがあるため、その流線型を活かすことができれば、素晴らしく美しいフィッティングになります。なで肩万歳!なのです笑

ツイードの3ピースというアイテムも、今の時代となってはロマン派の選ぶものになっているかもしれません。
ですが改めて見直していただきたい。こんなにも便利で、丈夫で使いやすく、格好いい洋服はないと思います。
そして、ツイードに寿命はありません。
20年ほど経って、ようやく馴染んできたな。と思うのが適正なクオリティのツイードです。
そのためにも、早くツイードをそろえておくのが理想的だと思います。

桃栗三年柿八年、ツイード二十年。

雨に唄えばのように、カサブランカの最後のシーンのように、雨だからこそ着倒す。そうすることで唯一無二の雰囲気になっていくことは間違いありません。

 


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