襟を立てる季節

BERUNです。

ようやく襟を立ててもキザにならない気温になってきました。
肌がピンとするこの季節が大好きです。
とは言いましても、年がら年中この気候では困りますが。やはり四季があるからこの季節を存分に楽しめます。
天気予報に合わせて、翌日の洋服を考える。

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ここ数日で、10度を切る日も出てきました。
ハイゲージニットにジャケットを着て、コートを着ようか。それともミドルゲージかローゲージの上にそのままダッフルでも着ようか。
室内にいる時間が長い日なら、コートを厚手にして下を薄くしよう。
コートの種類だけ着こなし方がある。
そしてシャツではなくニットにするか、それによってもコーディネートが変わる。ありがたいことにとても迷える季節です。

夏はあれだけ目に止まっていたローファーが、靴棚から姿を消したかのように見えなくなる。スウェードやブーツ、ブローグスとやけに目が合う。
暖冬とは言いますが、やはり冬は寒いです。

この3~4ヶ月を愉しむことが、日本で洋服を味わい尽くす大事な時期だと思います。
温暖化や暖冬という言葉は毎年のように耳に入ります。
そこに順応して自分の着る洋服を軽くしていくのは軽率な判断です。
自分が着たいものを着る。という信念が、自分と洋服を確立していき、自己を作っていく礎になります。

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20年以上前の本を見ていても、最近暖かくなってきた、ナイロンのペラペラのコートを着る若者が増えたなどと書いてあり、現代となんら変わっていないことに気がつきました。
洒落者は、時代やメディアには耳を貸しません。
むしろこんな殺風景な時代にこそ、フランネルやカシミアを着る価値があると思います。
本当の豊かさや愉しみというのは、機能や利便とは一本離れた、余白にあると思います。

カシミアのコートは自分のためにあるのか。
暖かさだけであれば、ダウンジャケットの方が暖かいし便利です。
ですが、美しさや、町の格を上げる力が上質なコートにはあります。
文化を守るヨーロッパでは、このような姿勢を各個人が持っています。

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自分が自分であるために、何をどう装うか。
「服は言語である」という言葉がありますが、その言葉通り、まさしく服は「はじめまして」よりも先に語る自己表現です。
そこに自分らしさを持ち込まずして、何をやりましょう。

わたしは個人的に、最も身近にあり、最も効果的で、人生の価値を効果的にとても深めてくれる。それが洋服だと思っています。

 


Atelier BERUN

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