BERUNです。
3月18日、今日で31歳になりました。
21歳から始めたこの仕事を、今までやり続けてこれたこと、皆様に本当に感謝をしております。
今日は家族で山梨の甲府まで、温泉旅館に来ています。もちろんポールと一緒に。
1年前と変わったことはたくさんありますが、1つ挙げるとすると、カジュアルな服を着る機会が圧倒的に減ったことです。
冬も終わり、冬用のカジュアルウェアの洋服ラックを見返してみると、今季一度も袖を通さなかった洋服がたくさんありました。その代わり、過去に作っていたツイードジャケットを着る機会がとても増えました。
ジャケットというアイテムを、特に着飾るものでもなく、普通に考えずに着ることができるようになったのが、この1年の変化だと思います。
あとカジュアルウェアを着る機会が減ったことの要因は、世の中から見て自分はどうあるべきか、という責任を(勝手ながら)考えていたこともあると思っています。冬の休日は、コーデュロイパンツにニットを着て、ツイードジャケットを着ている自分が、一番リラックスできているのです。気取らずに、TPOもさほど選ばず、自分らしくいられるスタイルです。
ふらっと出かけた旅先で、初めての人と会うとき、気を抜いたカジュアルウェアでいるのか、それともある程度身なりのいい服装をしているのか。出会う方々に、自分はどう記憶に残るのが嬉しいか、ということを、10年かけて無意識レベルで考えられるようになりました。
洋服とは、自分が何者であるかを世界に表すことができるものです。みすぼらしく見せることもできるし、フランクに見せることもできるし、信頼できる人として見せることもできます。
考えていくことで、改めてカジュアルファッションというのを見直すことができました。
カジュアルの元はシティではなく、カントリー、ワーク、ミリタリー等、といったところから来ています。
持論を述べるのならば、シティ、タウンにいるときは、それ相応の格好をしているのがいいと思うのです。
ワークウェアは日常的になにか作業をするときや、運動量が多いときに着るのが最も適しています。
ミリタリーは例えば、バイクに乗るときとかは抜群の相性だと思います。
カントリー、それは自然の中で過ごすときにする装い。アウトドアやスポーツ、フィッシングなどのときにする装いです。
ここまで話すととても頭の固い奴だと思われてしまうかもしれませんが、シティでカジュアルファッションを着ることを否定しているわけではありません。一つ一つの服装が、最適な場所で活躍することを考えているのです。それぞれのスタイルがごった煮になっている昨今、それが生まれた場所で適切に活躍できることを願っています。
銀座の街をダウンジャケットにジーンズ、スニーカーで歩くのか、もしくはチェスターフィールドコートにウールのトラウザーズを履き、革靴を履いて歩くのか。
街が求めている姿にこたえるという行為は、とても気持ちがいいものです。(昨今の銀座はもうそんなことを言えるような街並みではなくなってしまいました。そう考えると、日本では街のために装いを考える場所というのが、どんどんなくなってきています。なんとも悲しい現実です。)
少し話がそれるかもしれませんが、リーバイスが労働者に愛用されるようになったはるか昔、仕事終わりにジーンズにデニムジャケットで酒場に入ることは禁じられていた頃がありました。そのため労働者たちは、仕事が終わると、ワークジャケットに着替えて酒場に入っていったのです。
そのことを知った当時のリーバイス社は、デニムでもドレスコードがある場所に入れるようにと、デニム素材でダブルのジャケットを作り、デニムで酒場に入ることを許されるアイテムを提供しました。デニムがワークウェアから格上げされたときでした。このストーリーはわたしがとても好きな話です。
多くの人が、ただ土日だからカジュアルになる、という思考で、暦に任せて自らが選択していないのです。だから土日にジャケットは着たくなくなってしまうのです。
今日は休日だからラフにしよう。でも待てよ。出かける先でもしかしたらジャケットを着た方がいい場面があるかもしれない。やはり今日はオックスフォードのシャツを着ていこう。ジャケットは軽く羽織れるくらいの軽めのものを持っていこう。
このように、ひと手間をかけるだけで、自分の意識が上がります。街に出たくなりますし、人に会いたくなります。洋服はそういう力を持っています。
このカジュアル化しきった日本に、少しでも疑問をもち、自らが着たい洋服を愉しんで着る人が増えることを願っています。
そんなわけで、四六時中、洋服と古いものと、美しいもののことしか考えていないわたしです。笑
こんなわたしですが、今後ともお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
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