今の時代にカッコいいと言われることについて

BERUNです。

毎日暑いですね。。ここまで暑ければ、無理して上着を着ない方がいいです。身体が第一優先です。

ここしばらくネットを見ていて感じることですが、インターネットのおかげで、好きな情報を取りにいけて、表現が自由にできるようになったと思われている現代ですが、実はそうではないのかもしれないと感じています。
世間にはいくつもの波があり、そこに乗った上で自己表現をしている人は評価されますが、少しでも世間とは違う言動や思想を持つと、途端に潰されてしまう。しかも潰すのは、我々のような一般の人たちだからこわい話です。

グーグルの画像検索よりもより早く情報を取れるということで、今年の初め頃からインスタで色々と調べたり探したりしていましたが、こういうSNSのなかの情報には相当な偏りがあるということを感じています。格好いいとされた人を神格化し、その人に倣うように同じようなスタイルが蔓延していきます。

SNSか何かで見て真似をした軽率なスタイルは、すぐに剥がれてしまいます。それが剥がれる頃には、うまい具合に次の時代がやってきて、その上にまた別の色のメッキを張り、文字通りハリボテになっていってしまうのです。根本から治療せずに、見えるところだけを治して隠していくようでは、いつの日か取り返しのつかないボロができてしまいます。

みんなが右倣え右で進んでいくことほどつまらなく、そしてこわいものはありません。一人一人がもっと自己のアイデンティティを持つことができれば、利益追求型の世間ではない生き方をもっとできると思います。
SNSで取り入れるものは、自分のスタイル+αくらいにしておく方がいいでしょう。そのαは本当にごく僅かなもので十分です。

今の時代に格好いいと評価されているモノ・コトが果たして本当に格好いいことなのか。
ひっそりと自分のスタイルを貫いている人と直接分かち合うことの方が、自身のスタイルをより強固なものにしていくことができるとわたしは思います。

イングリッシュドレープライン

8月ですが、スリーピースの納品が続いてます。
こちらは今回初めてオーダーをしていただいたN様。ガシっとした体格なのですが、この身体を活かす既製服がなく、いつもタイトなスーツを着ていたそうです。
今回、英国のシルエットである「イングリッシュドレープライン」をしっかりと身体に乗せてみましたら、N様の身体のラインは本来こうだったのか。と新しく認識するくらい、見た目の印象が変わりました。

<本来の骨格に乗せた綺麗なラインに仕上がる>

<ネイビーのスーツにウッディオレンジのタイが合う>

<ヒップからのラインが美しい>

Bespokeの醍醐味は、ただ身体に合わせるだけではないというところです。その人の雰囲気を見て、どのようにその人の魅力を引き出していこうか、熟考して作っていく。それは機械ではできない作業です。淘汰されていく店もあると思いますが、そのマインドに時間と労力をかけているところであれば、これから先の時代も文化を残していくことができると思っています。

グレージュのスーツを自由に着る

Edwin Woodhouse社の夏生地を使用してお仕立てしました、グレージュのスリーピーススーツ。転職をされ、お仕事でスーツを着る必要があまりなくなったK様。ですが、そういう職場だからこそ、自由にスーツを愉しむことができます。その日に誰と会うのか、事前に考えて、ポロシャツで出勤する日もあれば、このようにスーツをまとうことも選択できる。わざわざ着たくなるスーツがあるというのは、とても愉しいことだと思います。

白のポケットチーフではまとまりすぎてしまうので、同系色のブラウンのチーフを合わせました。

自分にしか分からないウインドーペーンのスリーピース

こちらはFOX AIRを使用してお作りしたスリーピーススーツ。
強撚糸を使用しているタフな生地で、春から秋にかけて活躍します。
こちらのお客様は、ウエストが大きく、ただ身体に合わせて作ってしまうと、かなり不格好なスーツになってしまいます。
そういう方にも、イングリッシュドレープラインはとても綺麗に入ります。

股上を深く取り、インのツータック。クラシカルなディテールですが、サイジングをしっかりと合わせることで、とても余裕のあるシルエットになります。
ベストの裾口を少しカーブさせているため、お腹が出ている方でも、裾がはね上がらずに、すっと収まってくれます。

近づいて見てみないとわからないのですが、うっすらと格子柄が入っています。着ている本人も忘れるくらいの格子です。仕事上、ほぼ無地しか持っていないというような方でも、取り入れることができるかもしれません。

BERUNでお作りしているものは、パッと見で格好いいものではありません。オーナー様が着ることで、初めて完成するものです。着た瞬間、洋服が反発しながらも、ゆっくりと身体に入っていきます。初めは着心地がわるくてもいい。長い目で見て、付き合っていけるパートナーです。
冒頭で書きましたが、今の時代に格好いいと言われるものである必要はありません。ミリオンヒットでなくても、10万枚を売り続けることができる安定したスタイルを持つことが、Bespokeを愉しむ上では必要な考え方です。

 

お盆期間のお休みについて

さて、お盆期間の予定が決まりました。8日から15日までお休みをいただきます。
西日本を一人でぐるっと回る予定です。日本の一人旅は久しぶりなので、楽しみです。

最近の心の仕入れとしては、あまりファッションからのインスピレーションは積極的にとっていっていません(自然に入ってくるものは大切にしています)。
他の分野から、自然に美につながってくる流れを汲み取るようにしています。「食・住」この2つについての考え方、生き方を、今は自分なりに咀嚼しているところです。何も美食でなくとも、身体が喜ぶ食を感じ取ること。それは心が喜ぶことにもつながります。住空間も、格好よすぎなくてもいい。住み心地のいい空間には本当の美があります。なにも”映える”空間でなくても、空気が澄んでいるところにいる時間と、それを感じ取れる感覚を大切に持ち続けたいです。
洋服も、着ている本人がストレスや不安を感じてるにも関わらず、慣れすぎてしまい、マヒしてしまっている人たちがいます。もっと自然でいい。もっと自然に装う。自分らしくあること。それがゆとりを生み、自分のスタンダードを確立していきます。

最近、あまり文章がまとまっていませんね笑(ずっとですか笑)
乱文ですみません。引き続き、お付き合いいただけたら幸いです。

 


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