文化を買う

BERUNです。

ようやく涼しくなってきたと思ったら、朝晩はぐっと冷え込むようになりました。
年々春と秋が短くなってきています。春・秋用の服をさす合物(あいもの)という言葉はなくなるかもしれません。

10月から、お茶を習い始めました。石州流・伊佐派という武家茶道です。
まだ始めたばかりですが、徹底的に”美”を追求する茶道の世界にとても心惹かれています。
日本人であるわたしが、英国に100%身を投じたところで、現地の人たちには敵いません。
やはり日本人として何を表現できるかを考えたら、日本の文化を学ぶ必要があると感じました。
茶道の世界は、移り行く時代を太く細々と生き抜いてきています。
そういう点で、フォーマルの世界も、今後益々狭い世界になっていくため、見習う点はたくさんあります。
これから、スーツを着なくてはいけない人たちが確実に減っていきます。
わたしたちの業界がこれからできることは、装うことを義務ではなく、文化として愉しむ人たちを残していくことだと思います。
消費を啓蒙することだけではなく、文化を伝えていく。それが周り道のように見えて、実は正しい道であると思いたいです。

 

11月に入りまして、大変ありがたいことに秋冬物のオーダーをたくさんいただいております。
なかでも、10月までは全く音沙汰のなかったニットのご注文をいただき、とても嬉しい限りです。ブリティッシュツイード100%で作られるフルオーダーのニット。
BERUNの隠れ人気アイテムです。また完成しましたらご報告いたします。

自らの手でヴィンテージにしていく

最近、「ヴィンテージ、ヴィンテージ」と言い続けていたので、懐古主義になったのか!?と思われているかもしれません。笑 安心してください、今回ご紹介するものはすべて現行のものです。
過去を振り返っているだけでは新しいものは生み出せないので、バランスは大切にしています。
30年前の生地がヴィンテージと称されるのであれば、今作られたものも30年着ればヴィンテージになります。子や周りの人に譲るのはそのためです。未来のヴィンテージを作っていくという気持ちで、ぜひ大切に着ていただきたいと思います。

秋冬の昼下がりの太陽の光がちょうど合うすっきりとしたブルーの無地。
英アーサーハリソンのサマーウールのスーツ地です。
普段あまりスーツを着用されない方でしたら、ファーストスーツは通年使えるものがいいですね。

Fox Flannel Blue Jacket

Fox Brothersのライトフランネルのジャケットが完成しました。
軽い生地で起毛感のある、上品な生地です。
何より色がとても美しい。仕立てもなるべく軽く仕立て、生地の柔らかさを最大限まで活かすようにしています。
ここ1,2年の変化としましては、あまりにも分厚すぎる生地を扱うことは減りました。今でも好きな方に向けては仕入れていますが、少し丸くなったのでしょう。笑
薄くともハリのある、上品さが引き立つ生地に目を向けています。北国でない限りは、このくらいの方が長い期間活用できるので便利です。

ボタンもネイビーのナット釦にして、裏地もネイビーです。ワントーンでまとめることで、素材と仕立てがより引き立ちます。

Harrisons -MOON  BEAM-

こちらは、英Harrisonsの秋冬用生地、MOON BEAMを使用したジャケット。
ラムウール75%、アンゴラ25%という、マフラーによく使われる配分です。こちらはジャケット用の生地のため、打ち込みがしっかりしています。
柔らかく、いつまでも触っていたくなる生地です。
これからの季節はこのような、しっとりとぬめりのある生地感、起毛感を愉しみたいです。

ブラウンとグレーの中間色、柄はヘリンボーン。色が限定されない秋冬はやはり想像が膨らみます。

これからたくさん洋服が完成してまいります。
どれも素晴らしいものばかりですので、なるべく多くの洋服をご紹介できるように頑張ります。

憧れを憧れのままにしておかない

ずっと欲しかったものを憧れのまま留めておくことは、一見ロマンチックかもしれません。しかしその間、憧れの的として、長い間その人の人生の目の前に君臨し続けることになることは、その人の人生にとって本当に有益なことなのでしょうか。そんなことを考えてみます。
あまりにも高額であったり、人生のバランスを崩すような無茶なものでない限りは、頑張って手にしてみる。そうすると、憧れが現実になります。憧れの扉が開いて、その次に欲しいもの、必要なものが見えてきます。
わたしが一時期靴にハマっていたとき、狂ったように靴を買いあさっていましたが、様々なものを見て目が肥えてきたため、今は少しずつ手放しています。
昔自分用に作ったスーツも、色々と試行錯誤が垣間見えるものは、そのときを思い出し、勉強させてもらったことに感謝をして、手放しています。

物があるということは、そのときの自分のセンスのレベルと、現在地点を比較することができるので、如実に心境の変化がわかります。
今までお気に入りであったものが、日常的に気負いすることなく着られるようになる。そして、ゆくゆくは自分の手元から離れる。
その流れをせき止めることは、自らのセンスの成長を止めることになります。
今わたしが自分自身のワードローブで一生ものだと言っているものは、おそらく一生持ち続けるものはほとんどないと思います(持つぞ!と強く思い、大変気に入っているものはいくつかありますが)。
センスがアップデートされ、大きく改変されることを考えると、10年というタームは一つの指針かもしれません。
シンプルなネイビーのブレイザーであったとしても、10年後にいいと思うものはまたほんの少し違ったイメージでしょう。むしろ、そうであってほしいです。

サイズが変わらないと言われている靴も、人の足は年と共に変化していきます。立体的であったがっしりとした足は、年々地面に吸い付いていきます。昔ジャストサイズだった靴が、最近きつい、ということは避けられない場合もあります。

本当に一生ものと言えるのは、服飾何十年生となり、深い年輪を重ね、多くの出会いをしてきたことを振り返りながら、第三の人生だと踏み切ったときから揃え始めるものだと思います。

1月の営業のご報告

最後に、
来年の1月、13日から23日まで、久しぶりにヨーロッパに行くことにしました。
その前後も店を開ける予定なので、10~25日まで不在となります。
イギリスをはじめ、今回は初めて北欧に行く予定です。
その間は店を長期的に不在にいたしますが、ヨーロッパでもたっぷりと学んで感じてきたいと思います。

今日から、春夏物の生地の仕入れを始めました。
日本に届くのは2月の予定です。また素晴らしい生地がたくさん入るのが、楽しみでなりません。

 


Atelier BERUN

東京都新宿区神楽坂6-8-23

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