BERUNです。
2日前、以前からお伝えしていたネクタイが完成してきました!
計11種類。糸見本を眺めていたらあまりにイメージが膨らんでしまい、結構な数になりました。
まずは定番、ソリッドタイからご紹介いたします。
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ワインレッド、ネイビー、ベージュゴールド、モスグリーン。
これらの色は何度かリピートしておりますが、実は毎回色を変えてあります。
タウンページのような糸見本を眺め続け、前回の色はあえて頭から外し、”今”いいと思う色をその場で選んでいます。
このネイビーも、色が深すぎず、とてもいい色合いになったと思います。
ベージュゴールド、モスグリーン、ワインレッド、、、、
どれも綺麗な色です。
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お次は小紋タイとドットタイ。
こちらの小紋タイは、わたし自身が最近、グレーの魅力を再発見したことから作ったものです。これから春になるので気が乗らないかもしれませんが、秋冬には大活躍する渋さを醸し出す大人のタイです。
そして隣のドットタイ、実はこちらはわたしが長年作りたかったドット柄がようやく完成した物です。
数年前、とある映画を見ていたとき、あるシーンで着ていたその人のスーツ姿があまりにも美しすぎて、頭から離れませんでした。
その演者が着けていたタイが、まさにこのピッチ、そして点の大きさだったのです。
まさにわたしの理想にドンピシャのドットタイで、それ以来この理想形のドットタイをどのように形にできるかを試行錯誤する日が続いていました。
工場側にはイメージを伝えてみても、すぐに100点のものができるはずがなく、今まで何度か作ってはいましたが、ここまでの出来映えのものはありませんでした。
何度か作っていただいて、ようやく一つの到達点に立った気持ちです。
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ソリッドタイとは色を変えております。少し明るめの色味で、カーキ、ベージュゴールド、ブルーのドット柄。いやぁ、、我ながらいい出来栄えです。
いつまでも見ていたくなります。
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こちらはこれからの季節に活躍する、麻混のタイ。写真では色が伝わりづらいのですが、左はラベンダーの杢、右はスカイブルーの杢がかったレジメンタルタイ。
明るさが欲しくなるこれからの季節にはとても重宝するアイテムです。
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そして最後にご紹介するのがこちらのハウンドトゥース、千鳥格子のタイ。
千鳥のタイははじめて作りましたが、思った以上に良いできでした。
千鳥の色はネイビーとブラウン。そのため、ベージュ・ブラウン系のジャケットとも合いますし、ネイビーのジャケット、スーツにも合わせることができます。
春になるとコットンスーツが着たくなります。今コットンスーツをご注文いただいている方がいらっしゃいますが、ベージュのコットンスーツにはまさにぴったりの組み合わせです。
シャツの色も白やブルーではなく、ベージュ系でワントーンで合わせると素敵ですね。
ドーバー海峡を渡る
ここしばらくお話ししているわたしの心境の変化によって、わたし自身のワードローブもガラッと変わってきております。
靴を10足ほど手放したと思ったら、同じくらいの足数が新たに舞い込んできています。笑(病気再発です)
今回ご紹介するわたし自身が作った洋服をお見せすれば、どのような雰囲気かお分かりいただけるかと思います。
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まずこちらは今回の春物の生地の仕入れの中で、どうしても我慢ができずにマイワードローブに招き入れたものです。
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Holland & Sherry(ホーランド&シェリー)の春夏物の生地でお仕立てしました。
見た目は英国的なチェック柄ですが、色がベージュ・ブラウン・グリーンとわたしの大好物三色が使われています。
男の三原色が「ネイビー・グレー・ブラウン」というなら、わたしの三原色は「ベージュ・ブラウン・グリーン」で決まりです。
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特にお伝えしたいのはこの生地の軽さです。
今までは、「生地はヘビーでなくてはいけない」と言い聞かせていたわたしですが、こちらは220~240gmsのSuper130’sという、とても繊細な生地。
ですが、さすがH&S。ぺらっと紙のような頼りなさを感じるイタリア生地とは異なり、奥底にグッとかすかな芯を感じます。
この構築的な見た目と裏腹に、軽い着心地のギャップがいいですね。
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英国らしい重みも感じず、軽さも与えすぎない、春秋にちょうどいい塩梅の雰囲気です。
ポケットはハッキングにして、少しスポーティな印象に仕上げました。
今までは、「冬の終わりとともにツイードが着られなくなる。。。」という寂しさが出ていたわたしですが、今年はそう感じることはありませんでした。
その代わり、「春の装いが楽しみだなぁ、、夏はどうしようかな。」と次の季節を楽しみに待つことの割合が圧倒的に増えたのです。
四季を楽しむことができる日本だからこそ、後ろ髪を引かれるのではなく、先の季節のことを考えていきましょう!
そしてもし、今の季節を名残惜しむなら、「次の冬はこういう洋服が欲しい!」と心のメモに留めておくといいでしょう。
わたしも毎シーズン、その季節を過ごした後に、こういう洋服が欲しかった。!と思うことが多々あります。
その感覚はメモするでもいいですし、頭の中に残しておいて、楽しみにしておくのもいいと思います。
わたし自身、昨年の夏に、「来年の夏は35度でも着られる真っ白の極薄のジャケットが欲しい!」と思い、そこから半年間ずっとそれに見合う生地を探し回っていました。
昨年末、ようやく理想の生地に出会えましたので、4月頃にでも作り始めようかと思っております。そう考えていくと、どの季節もスルーすることはできません。
スペシャルなスプリングコート
さて、以前一度こちらで軽くお話ししました、スペシャルな生地で仕立てたスプリングコートが完成しました。
スプリングコートとはいいましても、形はシンプルなセミチェスターフィールドコートです。生地と仕立てを軽く仕上げることで、冬ではなく春と秋に着られる物に仕上げています。
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見た目は一見普通のミディアムグレーのフランネルコートですが、こちらの生地はなんと、「ウール50%、カシミア40%、ヴィクーニャ10%」、というヴィクーニャ(ヴィキューナ)混のもの。
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その配合だと、スプリングコートと呼べる素材ではないのではないか?と思われる方もいるかと思いますが、こちらの生地はかなり薄手のライトフランネルで作られています。260gms前後で、本来ジャケットとして使う生地を、わたしが着るということで、コートに仕立てました。決して耐久性のある生地ではありませんので、スプリング”ロマン”コートです。
まぁ、そもそも日本ではスプリングコートというアイテム自体、着る時期がかなり限定されるので、そのコートを選ぶ時点で、かなりの割合でロマン派の一派であることは間違いありません。
硬さから柔らかさへ
わたしが少しずつ柔らかな生地を作り始めているのには、感覚の変化というだけではない理由があります。
それは先ほどお話しした耐久性というところがとても大きいです。
まずベースは英国であるべきだとわたしは強く思います。それは、英国の洋服があらゆる洋服の形の源流であり、ベースだからです。
面白みがないと思われてしまうくらいなまでに、普遍的でオーセンティックな洋服は、まず基本の洋服としてうってつけなのです。
そこでまず、365日のワードローブを完成させるのが望ましいと思います。
何も着数を多く持つ必要はありません。各シーズン2,3着ずつあれば、10着で年間通してのコーディネイトが完成します。
(洋服がお好きな方には、10着で収めるというのがどれだけ無謀であるかは誰よりも理解しております笑)
その365日のワードローブが完成した後、ようやくこの柔らかくきめの細やかな仕立ての世界に足を踏み入れる権利が渡されると考えてみましょう。
マリオワールドを思い出してください。全てのステージをクリアした人にだけ表れる隠しステージがあるように。柔らかく上質な生地で仕立てる洋服は、隠しステージに楽しみとしてとっておくのです。
ソフトで上質な洋服は、365日の完璧なワードローブを完成させて、はじめて楽しむことができる大人のゲームだと考えてみてください。
ハードの素晴らしさを知っているからこそ、ソフトな洋服も心から楽しむことができるとわたしは思います。
平日はハード、休日はソフト。というように、ご自身の理想のライフスタイルを想像してみて、そこに合うピースをはめていくように、これから揃えていく洋服のことを考えてみてはいかがでしょうか。
-Atelier BERUN-
東京神楽坂のビスポークテーラー
東京都神楽坂6-73-15
メゾンドガーデニア301