BERUNです。
4月に入りましたね。
今週は長男の入学式、次男の入園式と、家族の行事が続きました。
親の趣味に付き合ってくれて、田舎でトラッドボーイを楽しんでくれているのは親の自己満ですが嬉しいものです。笑
冬はバブアー。
春夏はセントジェームスとラコステ。
秋はシエラデザイン。
シンプルで永遠の定番だけを着せています。
私を含め、自分のセンスに絶対的な自信がない方は、普遍的なブランドを選ぶのが良いと思います。
私は10代の頃、バリバリファッション業界第一線でアシスタントをしていて、その時に出会った数々の天才的なレジェンドたちの仕事ぶりを見て、スッパリとゼロイチの仕事を諦めることができました。
無から有にする人の脳内構造は持って生まれたスペックが違う。そしてその中でトップオブトップの人だけが生き残る。
そんな世界でした。
毎年毎年みんなが驚くような革新的なものを作り続けなければいけない、そんな世界で生き続けるのは私にはできないと思った時、出会ったのがテーラード業界であり、クラシックスタイルでした。
昔から変わらぬもの=社会的に評価され続けている
という間違いのなさ。
そして、それを自分なりに、再構築していくことで、現代に通じる良質なものを作っていくことができる。
私の性格には、まさにそのスタイルが合っていました。
モードが破壊であれば、クラシックは構築。
これは右と左のように、どちらも必要なもので、後は自分がどちらの方が性に合っているか。
ということを見極める必要があります。
もう暖かくなってきたのですが、季節関係なくコートはご注文をいただいております。
個人的な感覚ですが、次世代に継いでいくことができるアイテムを順番に挙げるとしますと、
①革製の鞄
②コート
③ツイードジャケット
この順番だと思っております。
つまり、これにはある程度コストをかけてもいいと思うのです。
もし自分の代で終わったとしても、相当長いこと使えますので、良いものを揃えた方が、長く気持ちのいい時間を愉しむことができます。
フランネルとツイード
T様にお仕立てしたものは、モスグリーンのフランネルジャケットに、ベージュのキャバルリーツイルのトラウザーズ。
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ベージュのキャバルリーツイルのトラウザーズは、持っておいて絶対に間違いないです。
丈夫でありながら軽く、カジュアルにもジャケットにも合わせられるトラウザーズ。
夏以外はフル稼働する、そんなアイテムです。
現に今この記事を書いている私のズボンはそう、ベージュのキャバルリーツイルなのです。
ベージュのトラウザーズがあれば、上は何色でも合います。
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T様にはコートもお仕立ていたしました。
ダークグレーのツイード生地でお仕立てしたチェスターフィールドコート。
文句なしに格好いいです。
チェスターフィールドコート
コートは色々と種類がありますが、
「オーダーで仕立てる価値のあるコートは?」
と聞かれたら、
「チェスターフィールドコートです」
と答えます。
古着を探し回ると、ラグランコートは色々と見つかりますが、ではチェスターフィールドコートはとなると、見つかりはするけれど、時代感が出過ぎていたり、サイズが合わなかったりと、難しいのです。
洋服の時代性というのは肩に顕著に表れます。
ラグランコートはなぜタイムレスなのか、一つ理由を挙げるとすると、肩がないからです。
チェスターフィールドコートというシンプルなアイテムだからこそ、肩周り、サイズ感をとことんしっかりと合わせることで、唯一無二のコートに仕上がります。
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K様、この度シンプルなチェスターフィールドコートをご注文いただきました。
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写真でもわからなければ、実物を見てもわからないくらいのダークブラウンです。
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コートは背中の美しさが全てだと言っても過言ではありません。
これだけ身体に見事に入っているコートであれば、あとは何も足さなくても十分です。
ツイードバルマカーンコート
ツイード素材のバルマカーンコートが欲しい!
との依頼でお越しいただきました、K様。
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色はグレーにボルドーの糸が混じっているなかなか素敵な柄。
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裏地はボルドーを拾って、赤みがかった玉虫色で合わせました。
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袖はターンナップ。
前立ては比翼仕立て。
バルマカーンコートでは割と珍しい仕様ですが、ツイード素材であればなんでもござれです。
とは言いましても、ルールはないと言っていまえばそれで終いですが、ある程度知識があった上で自由さを愉しむというのがとても大切です。
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バルマカーンコートはゆったりと羽織るように着るものですので、繋いでいくことがしやすいコートです。
ぜひ、たくさん着て、長くご愛用ください。
K様、ありがとうございました!
フランネルとアルスターコート
K様は、冬の仕様としまして、グレーフランネルのスーツと、カシミヤウールのアルスターコートをご注文いただきました。
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グレーフランネルは、英Taylor & Lodge(テーラーアンドロッジ)社のSuper 120のライトフランネル。
上品な印象があり、とても素敵なスーツに仕上がります。
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シャツは白と、パートナーの方と選んだラベンダーをご注文いただきました。
白はシックに。
ラベンダーはパープルのタイを合わせて、首元を華やかに仕上げます。
Vゾーンが変わるだけで、印象がガラッと変わりますね。
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合わせてお作りしたアルスターコートは、ヴィンテージのMoorbrock社のもの。
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ガシッとした質感がとても着応えがありながら、カシミヤの美しい光沢も感じることができる。
とても贅沢な生地です。
K様、この度はありがとうございました!
オーダーの醍醐味
初めてお越しいただいたM様。
今まで数多くの洋服を着てこられたというのが言わずともわかる。
着る力のある方でした。
BERUNではほぼ初めてなのではないかと思うのですが、私の方から、
「M様はスリーピースではなく、ツーピースをさらっと着る方が色っぽくて格好いいと思います」
とツーピースでのご提案をしました。
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そして選んだ生地は2種類。
一つは秋冬向けの生地で、80年代のホーランド&シェリーのウールカシミヤのフランネル。
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とても柔らかく上質で、カシミヤのヌメリも感じる。
それをスーツで仕立てるとはなんと贅沢なことか、、!
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実はこの生地、もうとっくに無くなったと思っていたのですが、年始にヴィンテージ探索に行った際、なんと少しだけ出てきたのです。
炭鉱労働者のように、掘り起こして見つける。
ヴィンテージ探索はそんな時間です。笑
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裏地は同色のペイズリーをチョイス。
下手をすると下手をしてしまう、ギリギリの塩梅ですが、こういうギリギリのところにその人らしさというのが宿ります。
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もう1着は、ソラーロ(玉虫)を選びました。
そしてソラーロは、裏側を表面にして仕立てることに致しました。
一般的には黄色が強い方が表になり、赤みが強いのが裏になるのですが、M様には裏面の方が似合うと思い、
「こっち(裏面)を使いましょう」
とご提案。
裏面を使う場合は、しっかりと吟味をしなくてはなりません。
なぜなら、保証外(笑)だからです。
生地メーカーとしても、
「えっ!そっち使うの!?聞いてないよ」
という感じです。
質の高い生地メーカーでなくては、裏面まで使えるように仕上げていることが少ないので、作る側が責任を取って判断します。
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ワイドなピークドラペル。
1つボタン。
決してやりすぎではなく、その人に合わせてお作りするスタイル。
これがオーダーです。
ガチガチブリティッシュなスーツを作るつもりで来たので意外でした!
と言われたのですが、このスタイルとてもいいです!
と喜んでいただきました。
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裏地はレンガ色の玉虫カラー。バッチリ合いました。
その人に合わせてお作りすることこそがオーダーの醍醐味です。
M様、この度はありがとうございました!
キャメルアルスターコート
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M様にお仕立てしたのは、ヴィンテージのFox Brothers社のウールメルトンの生地。
ヴィンテージのフォックスで良い雰囲気の生地、なかなか出てきません。
年末に英国からこの話がありまして、その頃にコートの話をいただいていた方には、ちらほらお話をしておりました。
私自身、まだ現物も見ていない、だけど、写真で見るだけでも素晴らしいものであるというオーラが伝わってくる。
そんな曖昧度100%の中、私を信じてオーダーをしていただいた方が何人かいらっしゃいます。
年始に英国から生地が届きまして、開いた瞬間、ガッツポーズをしました。
想像はるかに超えた素晴らしいクオリティーで、これは完成したら、とてつもないものになるだろうと楽しみにしておりました。
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M様にはこちらの生地でアルスターコートをお作りいたしました。
キャメルカラーのアルスターコートは1着あると、飽きずにずっと使うことができますので、非常にオススメです。
歳を重ねれば重ねるほど似合っていく、そんなコートだと思います。
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春の装いのジャケパンセットもお作りいたしました。
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ジャケットとオッドベストはFox Brothersのホップサック生地。
ネクタイも同生地でBERUNで作成したものです。色違いの3ピースになっています。笑
コットントラウザーズにスポーツジャケットスタイル。
春と秋の定番コーディネートの完成です。
オッドベストはとても便利なので、これから広がっていってほしいですね。
-Atelier BERUN-
東京表参道のオーダースーツ / 洋装士
Haruto Takeuchi / 竹内大途