BERUNです。
緑がすくすくと成長してくるこの時期、毎年恒例のホームパーティにお邪魔してきました。
BERUNの店前の”小さな庭”を手がけていただいているマダムイトウのご自宅。
わたしや周りの友人、お客さま方のウェディングパーティのアレンジメントも手掛けてくれた方です。
多くの手がける花はここから実際に摘み取ってくるものを使います。イトウ氏の思想は徹底的に自然に生きる。
彼女の庭は一歩入るとそこは完全に英国です。
荒れた土地の状態から、長い年月をかけて作り上げてきた世界は圧巻の一言。
しかもどれもが自然であり、虫や蜂たちが共存して循環している様はもはや東京とは思えません。
あまり虫が得意ではない私ですが、ここに棲んでいる彼らはなぜか嫌な気持ちがしません。自然のなかにわたしたちがお邪魔しているからでしょうか。
早朝8時から1年に1度開かれる朝食会。
近くに流れる川の音を聞きながら、お酒も飲まずに気持ちの良い時間を過ごしました。
最後は庭から摘んできたハーブでハーブティー。
さて、都心に戻るとしましょうか。笑
まだ最高気温は28度止まりだというのに、街でスリーピースを着ていたら心配される日が増えてきました。
私は「暑いですね」という言葉は32度を超える日までとっておいています。笑
素材とパナマハットの力を存分に借りて、この夏も楽しく乗り切るつもりです。
先週、贅沢な遊びをしたジャケットが完成しました。
今季から始まったHarrisonsの春秋用ジャケット生地「LABYRINTH」。
前身の生地「MIRAGE」が好きだったため、なかなかこちらに気持ちを切り替えることができませんでした。
ですが先日、レディースでこちらの生地を使い、ネイビーヘリンボーンのジャケットを作う機会がありました。触り心地がとてもクリアで、仕上がりが綺麗だったため、納得の採用です。
<Front>
<Back>
背中にはアクションプリーツ、ピンチバックスタイルです。この柄でこのカントリーテイストなスタイルを着こなす人となると、限りなく少数中の少数になるでしょう。
その人の着る力と可能性を最大限まで信じて、そして引き延ばす、楽しい仕事です。
立て続けに仮縫いの作業が続いておりました。
仮縫いはかなり神経を使う作業です。針を通してツマみ、お客様と店側の好みの境界線まで詰め寄せていきます。
ビスポークと既製服との大きな違いはやはりサイズ感です。そのため、まず仮縫いを通して、既製服とは全く異なるものだということをイメージをしてもらいます。
着るシャツはダブルカフスかシングルか、それによって袖口巾をどこまで詰めていけるかも決まります。
鞄というアイテムほど、帯に長し襷に短し、という言葉が合う物はないのではないでしょうか。
ここがこうだったらなぁ、、という部分だらけで、言ってしまえば妥協の連続です。
夏になると衣類も少なくなるため、鞄も軽めなものが欲しくなります。
久しぶりにクラッチバッグを購入しました。
<Rutherfords>
こちらは英国”ラザフォード”のクラッチバッグ。
今までいくつもクラッチバッグは手にしてきましたが、どれも長くクローゼットの中に居座ることはできませんでした。どこか納得いかない、そうこうしている内に手元から離れていきます。
「一級品の鞄にはファスナーはない」というのをどなたかが言っておりましたが、確かにその通りだと思います。
利便性、再現性、作りやすさなどを加味した結果、ファスナーは生まれました。
長い歴史から残り続けている伝統的な鞄には、もちろんファスナーは付いておりません。
金具で開け閉めするものは、とても動作が面倒で、働き盛りの人にとっては不便さがどうしても先行してしまうでしょう。
<Ralph Lauren -Purple Label->
ファスナータイプのバッグは、歩きながらでも開閉し、中のものを取り出すことができます。ですが、ダレスバッグ、ブリーフケース、グローブトロッターのような金具で開閉するものは、立ちながらでは難しく、不恰好になります。このようなタイプのバッグは、座って悠然と開閉するのが本来の在り方だと思います。
だからこそ、そこの苦痛、めんどくささを乗り越え、余裕を愉しめる人にしか持ち続けることができないものなのです。利便性を追い求めすぎた現代だからこそ、そこの動作や時間を愉しみたいですね。
ファスナータイプは”オフ”、”オン”は金具付きで真っ当に。
そう考えると、スリーピースに合う鞄、ジャケット&トラウザーズスタイルに合う鞄、という線引きができてきます。
スリーピースには金具でフォーマルに、セパレートスタイルにはファスナーで軽快に、大きくざっくりと分けると、このように見えてきます。
<Keiichiro Fukushima>
こちらはわたしと同い年でありながら、世界レベルのクオリティのバッグをフルハンドメイドで作る職人 福島氏の作品。
わたしも同タイプのブリーフケースをオーダーしており、年末に仕上げていただくようお願いしております。
2017年、がんばったご褒美に。笑
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