BERUNです。
5月28日、「半・分解展」という展示会に行ってきました。
渋谷の小さな展示会場で6日間のみ開催していたというマニアック
現代の服から200年前の洋服を半分解体し、
専門学生時代、
展覧会の主催者である長谷川氏は偶然にもわたしと同世代で、
分解した洋服から当時のパターンを研究し、
その年代毎の洋服の用途の違いによって、
パットや芯材を使わず、パターンのみで着心地を追及しているものもありました。今では見かけることのない肩の傾斜やカットの仕方。とても興味深いです。
例えば、洋服が権威の象徴である物は、
そのため、運動量は必要とされておらず、
はたまた、時代とニーズに合わせて運動量を求められた洋服は、
(一つの考え方ですが、運動量の少ない洋服は権力者の衣服で、
これが時代と用途によって移り変わっていくのですが、
たまにスーツを試着したとき、腕を回したり、屈伸したりする方がいらっしゃいますが、それは本来の着方とは少し違います。現代の構築的なスーツを着ているときは、運動量は少ないのが前提だからです。現代的なアンコンジャケットやソフトスーツと呼ばれる現代服になってくると、洋服の運動量が多くなってきます。
見れば見るほど、昔の人がいかに努力をしてパターンを考案していたのかがわかります。現代の人ではここまで手間暇をかけて一着一着を作ることはできないでしょう。
また、昔は現代のように芯地などが発達していなかったため、あらゆる物を使って洋服にハリを持たせていました。立ち襟の洋服には新聞紙を入れていたものもあったそうです。
アーカイブ古着を現代のパターンに起こし直し、
左のコートはわたしが18歳の学生時代、
本物は球数も減り、かつ現代では着られるような素材ではなく、
そういったものを現代の形に復元し、
この展示会を開催した長谷川氏は、洋服の在り方は50年周期で変
たしかにその通りで、大体50~70年ほどの周期で、
今の時代のスーツは、上着を着て作業をすることを前提として設計されていません。スーツというものは権威の象徴として表れています。
戦後からこの着方は変わっておりませんが、
戦後から70年が経ちます。クールビズが一般化し、
これからその流れは止まることはないでしょう。
ネクタイは1年の内、
スーツを着る人がどんどん減っていき、
ですが、時代が変わり続けても、スーツの格好良さは不変だと思います。
文化を守っていく人たちは、いつの時代もマイノリティで変わり者と
古いものを研究し、古いものから文化と技術を受け継ぎ、
こういう変わり者がいるから、文化が保たれる。
文化が国を作るから、国は変わり者たちによって保たれているのです。
そう信じなくては、生きていても味気ないでしょう。
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