天然素材にこだわる

BERUNです。

つい先日まで冷房を入れていたかと思いきや、もうすっかり暖房が欲しくなる季節になりました。
除湿機から加湿器へ、リネンシャツからコットンフランネルシャツへ。
四季折々の日本の季節の変わり目は忙しいです。
しばらく着ることのないリネンシャツはしっかりと洗い、保管しておきましょう。
少しでも油分が残っていると、翌春に再会したときには襟元が黄色くなっていることがあります。夏の汗を甘く見ずに、クリーニング、もしくはお湯でつけおきして汚れを落とし切ってから保管しましょう。

これからの季節に必要なのはやはり暖かさです。
そして安くて軽くて暖かい、という便利なアイテムもたくさん出回っています。
たとえばフリースなんかは、まさにこれからの季節に活躍するアイテムです。
2,000円程度であの暖かさを買えるなんて、画期的な製品がありますね。

the bookでも書きましたが、わたしはなるべく化学繊維のものは着ないようにしています。
それは乾燥するこれからの季節、化学繊維が人体に及ぼす影響は、私たちが想像している以上のものだからです。

あまり知られていないお話ですが、元々フリース(fleece)という言葉は羊の毛という意味で使われておりました。
羊の毛を刈り取る際、上手に1頭分の毛が絡み合い、一かたまりの毛皮状になったもの、それをフリースと呼んでいました。
私たちが普段目にしているフリースは、70年代に化学繊維が台頭し始めたときに開発されたものです。
今ではフリース=ポリエステルという認識になってしまっていますが、実は違います。
このフリースも某格安高クオリティ洋服店で安価で発売される前までは、百貨店などで2万円ほどで売られていた高級品でした。それが某格安店の発売初期の頃に、4,5千円で発売したのです。途端にフリースは国民服となりました。

わたしも昔は着ていましたが、脱いだときにビリビリと静電気を感じることに違和感を感じたのと、化学繊維が身体に及ぼす影響を真剣に考えたとき、高くても身体にいいものを着ようと決めました。
現代では、ウールのフリースを探すのはなかなか大変です。
ウールとポリエステルの混合でも極少数ですが、ウール100%ともなると、理念を持っているブランドでしかもはや作っていません。
アウトドアブランドも、割と高めの価格設定でありながらも素材は化学繊維がほとんどです。

それますが、スーツの裏地も、ポリエステルよりはキュプラの方がいいです。キュプラの原料はさかのぼれば綿なので、汗を吸っても排出するため蒸れる心配が少ないです。

AEB56E35-D681-4A6D-9D58-07D679DF74D8(天然素材のものは色合いが自然で暖かみがある)

簡単に着たいフリースのようなカジュアルウェアに何万も出せないというところが世間の声ですが、現代は洋服の価格が安くなりすぎています。
世界のどこかで、不当な労働を強いられている人たちがいる。ファストファッションがもたらす歪みも見てみてほしいのです。

フリースに限らず、冬は乾燥もしますし、衣服の選択肢が増えるからこそ、ランドリータグを見て、ポリエステル、アクリル、ナイロンなどのような素材のなるべく少ないものを選びましょう。

最近建築関係の方とお話しをしまして、天然羊毛(つなぎで15%ポリが入っている)の断熱材というのがあるそうで、素材にこだわる人はそれを使うそうです。わたしは聞いたとき、服だけではなく、家も羊に守ってもらえるのか!!!と興奮したのはここでは伏せておきます。笑
ですが現代の技術では、それよりもはるかに安価で、春夏秋冬すべての季節において快適さが上回る化学繊維が発明されていると聞きました。

技術革新は凄まじいです。そう遠くない将来、天然素材を着る人はほんの一部の限られた人だけになり、それ以外はみな格安で高パフォーマンスな化学繊維を着る、というようなことが起こりうるかもしれません。今はその時代の導入期ではないでしょうか。

ウールやコットンがゴアテックスのような素材に勝てないように、天然素材にはこれくらいでいいという限りがあります。
自然の摂理を重んじて、営みを感じること。そして、欲張りをせず、「これでいいのだ」と言えるときこそ、何より幸福感があると、わたしは思います。

 


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