BERUNです。
10日間、天気のいい素晴らしいGWとなりましたが、今日で最終日となりました。わたしは家族、友人らと来年移住予定の神奈川県旧藤野町にてキャンプをしたりと、自然に囲まれた連休を過ごしていました。
新宿から1時間で行ける、東京から最も近い里山です。東京で仕事をして、家族と田舎で過ごす、カントリージェントルマンを目指していきたいと思います。
これから夏が始まろうとしていますが、その方のワードローブによっては、今の季節ではないものを提案することもあります。こちらのお客様は春夏用と夏用のジャケットが一着ずつあり、次に必要だったのは秋向けの物でした。小柄なY様に合わせたブラウンのマイクロチェック柄を選定。伊COLOMBOのSuper 130’sという薄手の繊細な生地のため、少し涼しくなる秋から活躍するジャケットです。
ライトフランネルで程よい光沢感があるため、上品な印象があります。
ついに見つけたBespoke glasses
先日、とある用事で休日に初めて柏に行ってきました。用が終わり、駅まで帰っていたところで、一軒の眼鏡屋さんを見つけました。
眼鏡屋は日ごろから東京で見て回っているので、どうせ同じようなものが並んでいるセレクトショップだろうと冷やかし半分で入ってみたのです。(感じわるいですね笑)
わたしは、2年前から跳ね上げ式のサングラス(クリップオン)を探しているのですが、なかなかこれだ!というものが見つからないままでした。
眼鏡ユーザーの方ならお分かりいただけるかと思いますが、夏の強い日差しの中、サングラスと眼鏡を2つ持ち歩くのはなかなか手間です。
ほとんどの方はサングラスをかけるときはコンタクトにしてしまうと思うので、あまり需要のあるアイテムではないと思います。ですがわたしは目が弱いためコンタクトが着けられず、店内に入ったときはサングラスを眼鏡に着け替えたりと、面倒な思いをしていました。
また、どうしてもクリップオンは格好良さを演出するのが難しいアイテムです。おじさんくさくなってしまうもので、なかなか世に広がりません。
たまたま通りかかった眼鏡屋は「brilleブリル」というお店です。クリップオンを探している旨を伝えると、色々と見せてくれました。それでもなかなかこれだ!というのは見つからず。
するとオーナーが、気に入ったメガネの上に同じ形のサングラスをオーダーで着けることができると話してくれました。通常、クリップオン式のものはそれ用に作っているメガネにしか着けられないため、毎シーズン各ブランドで2、3型程の展開です。(上の写真のように、合わせられるものが決まっています)その選択肢がなくなり、何にでもつけられるのです。可能性が無限に広がりました。ずっと探していたわたしは、興奮を隠しきれません。
オーナーは、某眼鏡ブランドで13年働いていて、3年前に独立してお店を出されたそうです。接客スキルも知識も抜群で、とても安心して任せられる空気感がありました。
そこで見つけたブロータイプのメガネがとても綺麗だったので、それに合うサングラスのレンズを作ってもらうことにしました。
クリップオンのレンズの形だけをオーダーとはなかなか聞かないので、よく話を聞いてみると、店でオーナー自らがカットして作っているからできるサービスだという。そこまでは大手ではやりません。この小回りのきき方が個人店らしくて素晴らしい。
<わかりづらいですが、一番左上のブラウンに金のフレームのものを購入>
クリップの色をアンティークゴールドにし、レンズの色をグリーンに決定。待っているとき、ふとわたしの仕事の話をしていると、オーナーが突然、「メガネもビスポークできますよ」と話をしてくださいました。
そこで見せてもらったのがこのボックスです。いくつかの型からサイズを自分好みに調整して、色とその他の細かなデザインを決めていきます。
スーツや靴、鞄はビスポークが当然の世の中だが、メガネは未だにあるものを選んでいるだけ。他のアイテムより明らかに遅れをとっている。とオーナーが熱く語ってくれました。
一人一人身体が違うから洋服をビスポークするように、顔の大きさや顔のパーツ、人それぞれ違うから、ビスポークできるといい。その通りだと思います。あまりにも個人的趣味だと思っていたので、眼鏡をオーダーするなんていうことは諦めていました。
自分には似合わないと思っていた眼鏡の形も、フレームの太さや広さを自分の顔に合わせて調整していくことで、自分だけのものになる。
これはわたしの趣味のお話ですが、あまり眼鏡のイメージがないケイリー・グラントですが、彼がかけている太く狭いセルフレームがとても格好いいのです。これが似合うようになるのはまだまだ先が長いだろうと思っていましたが、それも自分の顔に合わせることで、今似合うように作ることができるでしょう。
ですが、60歳過ぎてからの旧車のスポーツカー、70歳過ぎてからのステッキのように、年齢を重ねたからこそ似合うものを愉しみにとっておくのもいいではないでしょうか。そんなわけで、このケイリー・グラントの眼鏡も50歳頃の愉しみにとっておくことにします。
人生にはBespokeが必要
これからの時代は間違いなく個人店の価値が上がっていくでしょう。大企業ではできない小回りの効くサービスができるからこそ、人と人との繋がりを大切にしていく個人店は今後更に重宝されていくと思います。
極論、自分の身の回りにあるものが、自分が理想だと思ったもので囲まれることが、どれだけストレスがなく、自由さがあるでしょうか。
何かを求めて一日中街を歩きまわり、消去法で決めたものに囲まれるより、気に入ったものを見つけ、そこで自分を追求していくことの方が、遥かに人生の深みが増すとわたしは思います。
Bespokeの価値は、何日もネットや雑誌を調べ、時間と労力をかけて70点の物を買うのではなく、約2時間たっぷりと話し合うことで、90点以上のものを手に入れることができるところにあります。1ミリ単位で、自分のこだわりを追求して、理想を追い求めることができます。そしてそれに溺れることなく、自分の皮膚のように普通に着ることが理想です。
世の中にあるものの中で妥協をして決めるのではない、自分が選んだ人生を過ごす。ビスポークをすることは、そのためにあります。
BERUNも10年かけて、身の回りの物を思想を崩さずに、ビスポークできるものの数を増やしてきました。
スーツ、ジャケット&トラウザーズ、デニム、コート、靴、シャツ、帽子、手袋、、。
共通していることは、美しく人生を生きてほしいという願い。ここに眼鏡が加われば、よりその人のライフスタイルを発展させていくことができると思っています。
今の時代、こんな現実社会を生きているからこそ、ロマンをもって生きる人たちがいてもいいと思います。そんなロマンティックな人たちがもっと増えてもいいんです。その方が、人生は遥かに楽しいに違いない。
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