ベルンです。
先日、約5年前に購入したグローブトロッターのキャリーバッグのキャスターを修理しようと、青山のヴァルカナイズロンドンへと向かいました。
これはわたしが独立し、初めてお客様からご注文をいただいたときのご褒美に、営業用カバンとして購入したものです。
以来2年間は毎日、練馬にはじめての拠点を構えるときまで、このカバン1つで都内をぐるぐる営業して回っていました。
中には、生地本に裁縫キット、その他見本がみっちり。
なんと、購入して3ヶ月でキャスターが壊れてしまったのです。
購入店に相談をした際、
「物を入れすぎです」
と叱責を受けたことは、今となってはいい思い出です笑
その後、反省をして荷物量を減らしましたが、やはり使う頻度が毎日なのですぐにガタがきてしまいました。
そもそもトロッターの歴史上で、ヴァルカンファイバーにキャスターを付けたのはここ10数年前ではないでしょうか。
「象が乗っても壊れない、一生モノの鞄」
を謳い文句にしてはいますが、本体に対してキャスターがだいぶヤワなのです。
また、イギリスで購入してきた50~60年以上前のグローブトロッターと比べてみても、現在の物作りはどうも簡素化されているところが否めません。
(トロッターに限らず、すべての”物”に言えることですね。価格が上がり、クオリティが下がっているという現状は。)
いやぁ、それにしても使いました。
今は旅行に出かけるときや大きな荷物を運ぶときだけなので、月1程度の出番にはなりましたが、独立当初のわたしを支えてくれたこいつをわたしは手放すつもりはありません。
今回はキャスターだけを修理する目的で行きましたが、セールスマンからすると直してほしいところがたくさんあるようです。
角の部分もだいぶすり減ってきたので交換する方がいい。
金具もゆるくなってきたので新しいものに取り替えた方がいいなど。。
彼らの言う事をそのまま聞いていたら、もしかすると生涯持ち続けたときには軽自動車を買えるくらいまでお金がかかっているかもしれません笑
トロッターはそもそも、そのキズを楽しむものであり、都度あたらしいものに直していたらせっかくの経年変化が楽しめなくなってしまいます。
キャスターの修理代のみで¥27,000。
もう2回目なので、もう修理代だけで¥54,000払っています。
本体代金は当時たしか¥73,500なので、相当な修理代ですね。
(今は本体価格自体が9万円くらいになっているかもしれません。舶来物は年々どんどん値が上がっていきますね。。)
なんだか少し否定的な文言になってしまいましたが、わたしはトロッターは大好きです。
ただ、現代のトロッターの売り方が、本来の物作りの哲学と少し合っていないところが気がかりではあります。
最近はイギリスを特集する番組には必ずと言っていいほど見かけるようになったグローブトロッター。
伝統を存続させるためにミーハーなファンをつかまえるのも大切ですが、元々のファンも忘れないようにしていただきたいです。
英国らしさを遺している数少ないアイテムだからこそ、残り続けてほしいと切に願います。
ベルンでした!