ベルンです。
今日は用事があり、銀座に行ってきました。
先方が少し遅れるとのことだったので、しばし銀座をぶらぶらしていたところ、
エスプリ ディオール
ディオールの世界
なる展覧会が期間限定で開かれていました。
無料で入場できるとのことだったので、引き寄せられるように店内へ。
中ではディオールの人生が細かく壁に書かれ、当時の作品も現物が飾ってあります。
ディオールのスタイルを世に広めたバースーツ(Bar Suit)をはじめ、
最もモードが輝いていた時代の作品たちが並んでいました。
わたしはこの右のコーディネートがたまらなく好きでした。
柔らかなツイードのホームスパン(homespun)地のセットアップ。
これはマフラーも共地を使い、3ピースのスタイルですね。
野暮ったくなるはずが、とても女性的でエレガント。
これがモードファッションが作り出すクラシックスタイル。
こんな美しいセットアップをクチュールしてくださる淑女の方が現れることを日々待ち望んでいます。
この時代の洋服は、この時代の洋服は、どこから見ても隙がなく美しいものばかり。
現代のファストファッションが押し寄せた銀座の街に一石を投じるモード展覧会。
女性が女性らしく、男は男らしかった時代。
なぜこんなにも昔に作られたものが輝かしくみえるのでしょうか。
ジェームズ・レイヴァー氏が作った「レイヴァーの法則」では、
流行の10年前 下品(Indecent)
流行の5年前 恥知らず(Shameless)
流行の1年前 型破りな(Outré/Daring)
流行時 格好良い(Smart)
流行の1年後 野暮ったい(Dowdy)
流行の10年後 醜い(Hideous)
流行の20年後 馬鹿げた(Ridiculous)
流行の30年後 面白い(Amusing)
流行の50年後 趣のある(Quaint)
流行の70年後 魅力的な(Charming)
流行の100年後 ロマンティックな(Romantic)
流行の150年後 美しい(Beautiful)
とあります。
これがすべて正しいというわけではありませんが、なかなか面白い表だと思います。
まさに戦前のディオールの作品は70年前前後のため、「魅力的」に見えるのでしょう。
時代が評価してくれる作品作りをできることが、デザイナーにとって最も喜ばしいことだと思います。
わたしは一生涯モードに身を投じることは人を幸せにしないと思っていますが、モードファッションを通じてファッションの素晴らしさに気付き、そこから他のファッションに顔を出してみるきっかけ作りにはとてもいいジャンルだと思っています。
展覧会は10月30日から2015年の1月4日までやっているようです。
もし銀座に行かれる機会があれば、ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
人間とおしゃれの必然的な繋がりを、モードを通じて感じることができると思います。
ベルンでした!