BERUNです。
先日、久しぶりに我が師匠である木場さんとお話をしてきました。
彼と話していると常日頃思うのが、クラシックでありながら常に時代の先を進んでいるということ。
彼はそのときこんなことを言っていました。
「もう服を作るだけじゃ満足しない。これからはその人のボディメイキングまでしないと気がすまない」
なんとも面白い話だと思いました。
要は、
「身体に合わせる服を作るのではなく、服に合わせた身体作りを目指せ」
ということ。
イタリアのサルトはこういうそうです。
「おれの作ったスーツを美しく着られない体型になんかなるんじゃない。」
太って後日行った際は、
「なんだこの腹は!お前の生活はたるんでいる。出直してこい」
と怒られるそうな。
しかし、ここまで言ってくれるのは大変嬉しいことです。
究極人間の美学というものは先が見えないもので、
「この美しい靴のシルエットを壊したくない。小指を切り落としてしまおうか」
とまで行き着く笑い話もあります。
フォーマルの世界は奥深き世界であり、せっかく20代でこの世界の本質的な魅力に気付いたのだからこそ、ただ洋服を作るだけでは終わりたくないものです。
わたしは日頃から、時間を見つけては身体を動かすことに精を出しています。
週2で水泳をし、最近はボルダリングを始め、毎日の移動は自転車です。
食事も節制をし、暴飲暴食はもはや脳が求めなくなってきました。
美しいスーツスタイルを保つためには、絶対的に美しいボディが必要だとつくづく感じます。
わたしが自分だけで満足していたことが、木場さんは周りにも共有したくてたまらなくなっていたのです。
おそらくファッションにここまで魅力を感じていなかったら、腹まわりの肉も気にならなかったでしょうし、ここまで自分を磨くようなことをする生活はしていなかったでしょう。
ファッションに表面的ではなく真剣に向き合い続けたからこそ、自分を磨くことの魅力を知ることができたと思います。
そしてその身体の変化がすぐに分かるのがビスポーク(オーダー)です。
1kgでも2kgでも変動すると、顕著に着心地にあらわれます。
元々は上流階級の人たちの楽しみだったものが、身近にパターンオーダーが手に届く範囲でできるようになったことで、オーダーをすることがそこまでハードルの高いものではなくなってきました。
昔からビスポークしか着ていない人たちは、いかに自制をして身体作りをすることが大切かわかっているでしょう。
しかし時代の流れでオーダーが市民権を得て、それに便乗したような人はマインドが育っていません。
それらの人をしっかりと教育していける店員がいないことも大変嘆かわしいことであります。
心に余裕があれば、自制をして自分磨きをすることはできるはずです。
それができない状況なのであれば、その状況は早々に改善の余地があるのではないでしょうか。
いつの日にか骨抜きにされてしまい、国の思うがままの人になってしまいかねません。
自分がどういう人でありたいのか。
そういうこと自体を考えさせる暇をも与えない現代社会は、恐ろしい将来へと向かっていると思います。
洋服は想像以上のことを教えてくれます。
洋服に感謝をし、五体満足なことに感謝をし、おしゃれを自由にできる現代に生まれたことにもしっかりと感謝をし、自分らしく生きていきたいです。
感情のまま勢いで書いたので、文の乱立はご了承くださいm(_ _)m
いつもありがとうございます。
ベルンでした!
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