BERUNです。
早速私事ですが、2ヶ月ほど前にメダカを飼おうと、評判のよかった自宅近くの魚専門店に行きました。
色々と教えてもらい、必要なものを買い、セットを終えて、自宅で買い始めたのですが、それがまぁ可愛くて、子供達も喜んでいました。
しかし、買い始めてまだ1,2ヶ月しか経っていないのに、1匹天に召され、もう1匹と続き、
気がつけば、10匹いたメダカが1匹だけになってしまいました。。
完璧にセットしたはずなのに。。なぜだ。。
と悲しみを隠せません。
そんな中、たまたま通りかかった自宅から少し離れた田舎の道路沿いに、
「めだか」
と書かれた旗を発見。
なかなかいい匂いがしたので、すぐさま立ち寄りました。
店主はジャズバーを営んでいそうな、しろい髭をこさえたいい感じのおじちゃん。
この風貌でメダカ屋って、、とてもいいじゃん。とグッと心を掴まされました。⇦単純です笑
最近起こっている出来事を伝えると、ふむふむ。と、そして、いくつかの原因を教えてくれました。
教えくれたことは、私がはじめに行った魚専門店さんから聞いた話とまるで違いました。
①室内飼いOK
⇨室内飼いはとても難しい。外の方が断然育てやすい
②水を綺麗にしてくれるエビや貝を一緒に飼うといい
⇨エビや貝はフンをすごい出すので、飼うことでよりマメに水換えをしなくてはいけない。また、他の生き物と飼うとメダカはストレスを感じるので、メダカだけで飼う方がいい。
③水の中に酸素を送るエアレーションをすることで水の中のバクテリアを綺麗にしてくれて、水を綺麗に保つことができる
⇨メダカにとってはエアレーションの空気は強すぎて、かえってストレスを感じてしまうからやめた方がいい。メダカには酸素は必要ない。
④砂や石、水草を置いて水槽の中を一つの生態系にするといい
⇨色々置くと掃除も大変で、汚れの温床になってしまうからなるべくスッキリさせたほうがいい
いかがでしょう。(あれ、これメダカのブログでしたっけ?笑)
同じプロの意見でも、正反対と言っていいほど違う答えでした。
これを聞いた時、素人は困りますよね。どっちが言ってることを信じればいいんだ!って。
ですが私は今回の話を聞いて、後者の意見を取り入れたいと思いました。
それはなぜかと言いますと、話している人から出てくる説得力、そして圧倒的なメダカ愛を感じたからです。
そしてこのような話は、服飾業界でも全く同じことが言えます。
世の中にあるほとんどの答えは、資格試験や○✖️問題ではないので、正解はないのです。
なので、この人が言ってることを信じてみよう。という信頼関係が全てです。
上の話のように、私と他の洋服屋では言っていることがまるで違うことがよく起こります。
①パンツは細くした方が細身に見える
⇨程よくゆとりを持たせて、身体のラインを見せすぎない方がスッキリと見える。
②着丈やパンツの丈は短くするのが今は主流。長くすると野暮ったくなる。
⇨着丈もトラウザーズもしっかりフルレングスが良い。スマートさを出すのは、細くするのではなく、身体の流線型を描く事。
③イタリア生地で、仕立ては軽くマニカカミーチャ(肩パッドがないシャツ袖の仕様)にすることで、軽快に洒落感を出す。
⇨まずスーツを仕事で着るなら、質実剛健さが大切。基本のワードローブはイギリス式で、休日や気軽に着たいときにイタリア服を楽しむ。それが本来のルーツに合っている。
エトセトラエトセトラ、、と。まるで同じプロの中でも答えが全く異なります。
答えはネットや雑誌にあるのではなく、一人一人の中にあると私は思います。
大切なのは、情報に左右されて困惑するのではなく、信頼できる人をまず見つけることです。ひとつの業界で、これと言ったらこの人、という人を見つける。
そしてまずその人の言うことを信じてみる。
それを通して、もしかするといつの日か、「あれ??」という日が来るかもしれません。そのとき、もしかすると自分自身で色々と考える力がついてきたのかもしれません。
そうなったら、色々と知識や見る目もついてきている自分を信じて、色々と試してみる。
この一連の流れを通していくことで、知見が広がっていきます。
まさに守破離の流れです。守破離以上に理想的な成長曲線はないでしょう。
残念なことにメダカは10から1匹になってしまいましたが、これによって、プロの意見がこれだけ違い、誰を信じるかが大切だということを改めて感じることができました。(綺麗にする隊で飼ったはずの貝とエビは絶賛増殖中です。苦笑)
失敗から学ぶことはたくさんあります。
それぞれの分野で、先生と呼べる人をどれだけ持てるか。それが、人生の深みを出してくれるはずです。
夏はジャケパン
さぁ、ようやく洋服のことを書いていきますよ笑
夏はスーツよりも、ジャケパンの方が使いやすい季節です。
今回は春夏秋のジャケパンスタイルをいくつかアップしていきたいと思います。
三者混ジャケット
ウール・シルク・リネンと、3つの素材が入っている生地のことを三者混と言います。BERUNでは春夏秋の大定番です。
今回お作りしたジャケットは三者混の生地を使用した1着です。
ブルーのジャケットにベージュのコットントラウザーズ。もう何度作ったかわからないコーディネートですが、何度お作りしても感動します。
人は一人一人違いますので、同じものというのは存在しません。毎回違うものを作っている感覚です。
人には、必ず持っておくべき定番服というものがあります。その一つはまさに、ブルージャケットとベージュのトラウザーズです。
身長の高いF様。決して細身にはせず、身長の高さを活かしてゆとりを持たせます。こうすることで、カジュアルなジャケパンコーディネートも大人な雰囲気に仕上がるのです。
コットンやリネンは必ずシワが入るため、股下が上に上がってきます。そのため、はじめは少し長めにお作りいたします。これはやっておかないと、2年後以降必ず後悔します。
こういった微妙なサイズの変化が起きても気にならないように、9分丈やノークッションの丈が流行っているのかもしれないですね。
ワンクッションの丈感はとても難しく繊細なので、より技術やセンスが試されます。
ネクタイはシルクリネンのレジメンタルタイ。夏にはこのくらい爽やかなネクタイが映えます。
中のシャツもホワイトリネン。上はすべてのアイテムにリネンが入っているため、清涼感と統一感があります。
F様、いつもありがとうございます!
Check Jacket Style
フォックスブラザーズの生地を使いお仕立てしたジャケットに、グレーのフレスコライトのトラウザーズを合わせたスタイル。
このチェックの色がとても美しく、さすがフォックスと唸ります。
生地も220〜240gmsととても軽いながら、しっかりとハリのある生地感です。
ベージュ、ブラウン、グレーブラウン、ブルーという構成で作られているチェック柄。
これだけ柄の中にベーシックな色が入っていれば、合わせるものに困ることはまずないでしょう。
下はグレー以外に、ベージュ、ブラウン、ネイビー、、何でも合いますね。
フレスコはこれからの季節になくてはならない存在です。
夏場の氷くらい、夏の中では欠かせない重要なものです。
K様、とてもお似合いでいらっしゃいました!ありがとうございました。
Mocha Brown jacket Style
細身で身長の高いH様。
そのような体格の方がそのまま身体に合わせてスーツを作ると、ヒョロっと長く、貧相に見えてしまうことがあります。
肩とバストをしっかりと出す。そしてウエストへとゆっくり絞っていくため、ウエストをそこまで絞めなくとも綺麗なシェイプが生まれます。
これが肩とバストがピタッとしているフィッティングであれば、ウエストをいくら絞っても綺麗なシェイプにはなりません。
これはあまり文章では伝わりません。一つ言えることといたしましては、肩とバストにゆとりを持たせたスタイルというテーラリングは、なかなか最近では既製服で見かけることはありません。
やはりカジュアル化の流れで、構築的な仕立てがどんどん消えていっています。
ですが、テーラリングの本来の美しさはカジュアル化の裏側にあります。
クラシックもモダンも全て受け入れることで、時代の変化に柔軟に対応することができます。
BERUNのウールリネンのブラウンのネクタイを合わせました。
H様、この度はありがとうございました。
ぜひ長くご愛用いただけたら幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
-Atelier BERUN-
東京都港区元赤坂 / 洋装士
Haruto Takeuchi / 竹内大途