自分らしさを持つ

ベルンです。

気がついたら12月ももう後半に差し掛かろうとしています。
時が経つのは早いものです。
急激に気温が下がり、全国的に大雪が降る地域が増えるなか、ニットは毎日必要不可欠なアイテムになってきました。
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先日購入したニット。

偶然にもクリスマスカラーでした。
タートルのニットはとても便利です。
下手にコーディネートを考える必要もなく、上にはお得意のツイードジャケットを身につけ、さっとコートを着ればいいのです。
右のクルーネックならインナーはチェックのシャツを合わせたい。
シェトランドニットにはやはり英国の匂いを漂わせるタッターソール柄のチェックシャツを中に忍ばせ、ツイードやオイルドコットンのアウターでブリティッシュに仕上げたいものです。
しかし不思議な話ですが、夏にはあれだけ見かけたイタリアンな男たちが、冬になるとぱたっと見かけなくなります。
多くの人が、冬季限定でブリティッシュスタイルに傾倒していると思われます。
3年ほど前のハリスツイード100周年をきっかけに、改めて英国ファッションが見直されてきました。
原宿にはバーブアーの直営店ができ、セレクトショップでは振り向けばツイードアイテムが鎮座しています。
英国好きには喜ばしいことなのですが、多くの人が重衣装になる冬にしかブリティッシュスタイルにならないのです。
正確に言うと、夏の英国スタイルを知らないのでしょう。
それはとてももったいないことで、季節が変わるたびにテイストが変わってしまうことで、着る本人に説得力が生まれなくなってしまいます。
他人は真夏でも毎日スリーピーススーツを着ている人に、ベストがどうとかつげ口をしようとはしません。
たまにベストを着るから、突っ込まれる隙が生まれてしまうのです。
こだわりなのかファッションなのか、それは本人の自信から出てくる空気感ですぐに伝わります。
自分のスタイルを確立するということは、他人や流行に惑わされることなく、自分らしく生きるために必要なことなのです。
夏には海パンのような短いパンツに、カッタウェイカラーにドゥエボットーニのシャツを着ていた人が、冬になりツイードを着たところで、そのツイードスタイルにはまるで説得力がないのです。
名優と呼ばれる往年のスターたちは、皆この自分らしさということを徹底的に追及していました。
自分を最大限に引き出してくれる洋服を見つけること、そして、その道を一生かけて磨き上げていくこと。
女性のファッションにはない奥深さが、男の洋服の最大限の魅力です。
20,30代の頃に洋服に大枚はたいておしゃれ番長だった人が、家族が増えて自分の洋服が買えなくなったとたん、今まで買ってきた洋服がすべて流行に忠実に従ってきたものだとしたら、その人のおしゃれはそこで止まってしまいます。
そういった人はみな、今までのおしゃれ経験値を糧にファストファッションでおしゃれを試みようとしますが、そもそも20,30代の頃からしっかりとトラッドなものを揃えておけば、そんなことに悩む必要はないのです。
トラッドは若いときに見ると、地味で野暮ったく面白身もなく見えます。
それでいて高価な素材を使っているゆえ高いとなれば、多感な若者はぱっと見てカッコいい流行り物に手を出したがるでしょう。
洋服を消費と見るなら、今を楽しむ流行を追いかけ、将来の投資と捉えるならトラッドを軸に見据えていきましょう。
おしゃれと言うととても軽率に聞こえてしまいますが、年を重ねる毎に楽しさが倍加していく洋服の世界があるということを、早い内から知ることに損はないと思います。
最近の街中を見ていてふと感じました。
ベルンでした!

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