My Wedding

BERUNです。

ご無沙汰しております。
気がつけば約1ヶ月ぶりの更新。
8月から9月上旬までにかけて、今年はしっかりとお休みをいただきました。

最後のブログはタイのバンコクに行っていた話で終わっていましたが、実はバンコクのテロの現場すぐ近くで居合わせていたのです。
爆音も聞き、黒煙も直視できた距離で、わずか500mほどしか離れていませんでした。
30分前にはその現場を歩いていたことを考えると、今生きているのが奇跡のように感じます。

皆様にはご心配をおかけしました。
今こうして日本に帰ってきて、大好きな洋服の仕事ができている現状がとてつもなく幸せなんだと再認識しています。

たくさん余暇をいただきましたので、今月からまた身をひきしめていきます!

 

またご報告ですが、先週9月4日はわたし自身の結婚式でした。
この日が来るまでは式の準備や衣装の合わせで、なかなか他に手が回らないほどてんやわんやでした。
親族だけでアットホームに執り行い、改めて家族の素晴らしさを感じました。
当日は前後の雨を縫うように終日晴れ間が広がり、とてもいい式になりました。

さて、
わたし自身はこういう場面のとき、どういう服を着て出るかですが、基本に忠実にディナージャケット(タキシード)です。

ですが、黒のボウタイにカマーバンドで、、、
なんて考えていたら、わたしの師エド氏との意見交換が始まりました。

当日は昼間、そしてハレの日。
場所は自然あふれる軽井沢。
そのようなシチュエーションで、黒のボウタイにカマーバンドは重すぎるのでは?
ということです。

そこで生まれたのがこちらのスタイル。

白のボウタイに、スタッズボタンとカフスを白蝶貝にしました。
そしてカマーバンドではなく、白のウエストコート(ベスト)。確かに黒のボウタイにカマーバンドでは、グッとラグジュアリーな雰囲気になります。
夕方以降の式典なら問題ありませんが、時間帯的にはこちらで正解でした。

シャツはヒダを付けたクラシックな仕様。
ウイングカラーではなくあえてレギュラーカラーにしています。
生地はジョンスメドレーなどでも使われる海島綿(シーアイランドコットン)。

メガネは先月金沢に旅行に行った際、たまたま見つけたメガネ屋さんで一目ぼれした「STEADY」という鯖江製のメガネ。
いくつもメガネがある中で新人が異例の大抜擢です笑

カメラマンに撮っていただいた写真ですが、恥ずかしいですね笑

ウエストコートは通常の釦5~6個掛けの仕様ではなく、モーニングやイブニングに使われるⅤゾーンの低いクラシックな4つ釦の物を新たに作りました。

この合わせを考えると、タキシードとモーニングの間のようなオリジナルな着こなしですね。

基本、ウエストコートの一番下のボタンは開けるものですが、この日は閉めています。
それは、当日着付けを担当してくださったお年を召したスタッフからのお話でした。

ベストの一番下を開けるようになった経緯は、ネットを叩けばすぐ出てきます。
ジョージ四世がボタンを閉め忘れてパーティに参列したのを見た、当時最もキレキレだった洒落男ボウ・ブランメルが、殿下に恥をかかせてはいけない、ととっさに開け、それを見た周りの人が真似をした。というお話です。
他にもいくつか諸説はありますが、ざっとこんな感じです。

ですが、挙式では神の前に立ちます。
殿下といえども人です。
人間と神、どちらが偉いのか。
それを考えたら、人間が生み出した洒落っ気は、神の前では必要ないということになるのではないでしょうか。

わたしもその哲学を聞き、大変納得しました。
当日、写真の通り、ボタンは4つ全て閉じました。
このように、自らの哲学をもって装うことができれば、着こなしのルールは必ずしも守らなくてはいけないわけではないと思います。

挙式が終わり、食事会を設けましたが、ここではボウタイとスタッズボタン、カフスのみを替えました。

(誰にも気付かれませんでしたが笑)、写真で見ると少し印象が変わりますよね。

これだけで十分だと思います。

知人も招いた披露宴の場合は、中にスカーフを入れたり、もう少し洒落っ気を出してもいいですが、そもそも挙式で男性が目立つ必要はありません。

このスタイルが、いわゆる「ブラックタイ」と呼ばれるフォーマルスタイルの基本です。
(ドレスコードにブラックタイと記載されているときは、黒いタイをしていけばいいのではないんですね。いわゆるディナージャケットの略称です)

タキシードなんて着る機会がない、と思うかもしれませんが、その機会を作るかどうかは自分次第だと思います。

恥ずかしがることなく、友人の結婚式に着ていっていいと思います。
新郎新婦を誰よりも祝う気持ちが、洋服に表れていると思っていただけるでしょう。

または大切な人と年に一度でも、とびっきりおしゃれな時間を過ごしてみる。
きっといい歳のとり方をできると思います。

わたしの妻はエドワードエクリュ製の完全オートクチュールのウェディングドレスを作っていただいたので、そちらもお見せしたいのですが、一般社会で生きている方のため自粛させていただきます泣。

本当に美しい、素晴らしい仕上がりなので、直接お会いしたときにでもお見せできればと思いますm(_ _)m

式も終わり、ようやく落ち着きました。
これからも変わらず、紳士道を築いていきたいと思います。

 


Atelier BERUN

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