最終日 London 2

BERUNです。

いよいよ最終日。
今日は日本の生地屋のご好意で、ハリソンズ率いるLBDグループのロンドン事務所兼倉庫にお邪魔させていただくことができました。

今日は今回の旅で、最も収穫の多かった日だったと思います。

連日の疲れが溜まっていたのか、今までは6時頃に目が覚めていたのにも関わらず、起きたときにはもう朝食の時間は終わっていました。

約束の時間は10:30。
急いで支度をし、チェックアウトを済ませます。

一昨年からハリソンズグループの傘下になった”W Bill”。
ここの生地のクオリティは本当に信頼しており、わたしも日々活用しています。

今回、倉庫にお邪魔するとのことなので、日本では見られない英国のデッドストック生地も特別価格で購入できるとのこと!
しかも、なんとわたしが日本から来るお客様第一号なんだそう。光栄です。

来週以降、ミラノやパリでファッションイベントが行われるため、日本のお客様がこれから続々と訪問予定があるそうです。
なんと、、あまりいいものに出会いすぎないようにしないといけませんね。。

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”W Bill”の事務所は”サヴィルロー”にほど近い場所にひっそりとたたずんでいました。
看板もこれだけです。

呼び鈴を鳴らしたら、”John Bill”氏という老紳士がお出迎えしてくださいました。
小柄で薄い白髪、大きなブロータイプのメガネをかけた方。
カシミアの混じったダークネイビーのダブルのコートがとても素敵でした。

地下にある事務所に案内していただくと、そこには普段カット済みのバンチでしか見られない生地が所狭しと並んでいました。
日本の取引先から着分の価格を確認していたため、早速品定めに入ります。

しかしはじめは探しても探しても、なかなかいい長さの物が見つかりません。
すでにカットされてしまい、残り1mや2mしかない物がほとんど。
(スーツ1着分の製作には約3~3,5mが必要)

その後2時間ほど探し続け、納得のいくクオリティのものを、しっかり10数着分ほど確保しました。

”スミスウーレンズ”、”W Bill”、”H Lesser & Sons”など。

すべて本国が自信と誇りを持って提案しているものばかりです。

John氏もわたしのセレクトに、
「どれもトラッドで、つまらなくもなく、いきすぎてもなく、いいセレクトです」
と褒めていただきました。

氏は特に”H Lesser & Sons”の生地が好きだそうで、一冊のバンチブックを見せていただきました。
「サヴィルローのテーラーはこの一冊から学ぶんです。これが英国の定番です」
350g/m、平織りのシンプルで何の変哲もない生地。

「これ以上重いものもあるが、ストレスなくフィットして着られるのでこのくらいで十分です」
とのこと。
現地のプロの意見は参考になります。

その後、彼の好意で様々なサヴィルローのテーラーの工房内にお邪魔し、色々な方を紹介してくれました。
”アンダーソン&シェパード”に向かう途中、サヴィルローを通り、ビートルズの”ルーフトップコンサート”の話になりました。
なんと氏は当時、生でコンサートが聴こえていたそうです!

「その近くで働いていた人はみんな聴こえていました。わたしも思わず外に出てしばらく聴いていました」

なんと素晴らしい体験。うらやましいという言葉だけでは足りません。

アンダーソン&シェパードでもじっくり中を拝見させていただき、有意義な時間を過ごせました。

その後、一緒にパブに連れていっていただくことに。
するとその店内にはテーラー仲間が集っていました。
同年代で同業同士の集まり。いつもこのパブに来ると大体誰かいるそうです。

車の話や今日のアポイントのお客さんの話など、昼間にも関わらずビールを2パイントほどあおり、皆さん仕事場へと戻っていきました。

この時間がとても有意義でした。
ご高齢のこの道40年以上の方々が普段どのような装いをしているのかがよく分かったからです。
やはり皆様、徹底的に装いが自然で、誰一人、格好をつけている人がいません。

皆様、サヴィルローを本当に愛していて、とても気にかけています。
仕立て屋の聖地であるサヴィルローの生の声と空気を感じたまま、帰路につくことにします。

たくさんの戦利品は、帰国後お店に戻ってから、アップしていきます。

色々と感じることが多かった今回の旅行でした。
7年目を迎えるBERUN、一層よりアップデートしていきたいと思います。

皆様、いつもありがとうございます。


Atelier BERUN

東京都新宿区神楽坂6-8-23

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