Autumn / Winter Start

BERUNです。

只今、洋行紀を書いている途中ですが、今回は少し生地のお話をします。

 

9月も中旬にさしかかり、取引している生地屋からの新たな生地見本も大体揃いました。

ありがたいことに生地の担当者が、わたしの好みに合うものをピンポイントで提案してくれる精度が年々上がってきています。わたしがいつも好みの生地をアツく話しているからでしょうか。
幸いにも密にお付き合いをしている生地屋の方も、洋服が大好きで生地にとてつもない情熱をもっている人が多く、いつも新鮮で上質な話をアップデートさせてもらっています。

今ではもう手に入らないようなアーカイブの生地であったり、ヴィンテージであったり。店内はどんどん良質な生地で埋め尽くされていっています。

「BERUNさんが絶対に好きだと思ったので、この生地は寄せておきました」

売りつけるつもりではなく、純度100%で話してくれるのがとてもありがたいです。
まだ7年目のペーペーではありますが、この時点ですでに、続けてきたことの恩恵を受けているように感じます。
毎年のように新たな生地を触り、クラシックと謳いながらも年ごとの傾向をしっかりと追い、常に新鮮な脳みそでいるように心がけています。

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これからはようやく待ちに待った秋冬物がスタートです。
仕立屋は、7,8月は冬眠ならぬ夏眠をします。笑
9月の始まりを肌で感じ、夏にトロけかけていた脳みそを一気にフルスロットルに持っていきます。

今までのBERUNの秋冬物の生地の傾向ですが、”厚みがあればあるほどいい”でした。
秋冬は夏と違い、厚手のものを着用することができるため、古き良き時代のスーツの雰囲気を存分に楽しむことができるからです。
厚みのある生地は質実剛健な仕立て上がりになり、とても魅力的なスーツになります。
ですが昨今の温暖化で、そこまでのスペックを求めてしまうと、着る機会は少なくなってしまうのが現状です。

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冬の定番である紡毛素材の”Flannnel(フランネル)”も同様です。英国製のどっしりと重いヘビーウェイトなフランネルは今の時代、日本で着る上ではロマンを求めて着るという解釈が正しいでしょう。(しかしそれがまた格好いいんです。やはり男は夢を追う生き物なのでしょう。夢追い人はフランネルを着るべし、といううたい文句。素敵ではないでしょうか)

活躍するのは、12〜2月のわずか3ヶ月ほどです。その短い期間を、誰よりも愉しむという贅沢な発想が必要かもしれません。
また厚みがしっかりとある生地は、着続けていき服を育てていくという愉しみもあります。

わたしが日本で着用する上で理想的だと感じるウェイトは、秋冬であれば350~400g/mほどだと思っております。
ちょうどこの中のもので、BERUNで秋冬に愛用しているのが、”Harrisons”のFine classics(370g/m)や”Smith woolens”のBOTANY(400g/m)。

IMG_1795<生地にはそれぞれ,1m単位の重さを表記してあります>

400g/m以上であれば、着る人の体格も重要になってきます。生地に厚みがあるため、スーツ自体が立ち上がるようにしっかりとした仕上がりになります。そのため小柄な方や細身の方が着てしまうと、”スーツが歩いている”ような仕上がりになることがあるのです。

小柄な方の秋冬物であれば、300~350g/mくらいではないでしょうか。そのくらいの厚みであればしっかりと上質で、仕立て映えのするスーツになります。

300g/m以下であれば、短いシーズンを華麗に愉しむスーツとして割り切って考えるといいでしょう。数をたくさんお持ちの方であれば、軽めの生地で仕立て、時代と気分に合わせて愉しむのも乙です。

ちなみに参考までに、巷に出回る既成スーツの平均的な厚みは250g/m前後です。夏物であれば220g/mの物もありますが、最近では冬物でも280g/m程度ではないでしょうか。
こう見てみると、400g/mという厚みはなかなかのものだと感じていただけるかと思います。相当格好いいです。既製品を販売している店舗では、あまり見かけることはありません。

今回は少しマニアックな生地の厚みのお話。BERUNに何度かいらっしゃっている方はお分かりかと思いますが、生地の厚みってなんだ?と思われる方のほうが多いかもしれません。実際に色々と触ってみると、とても面白い世界です。

 


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