Scent of a Woman

BERUNです。

年末に完成したオリジナルタイも、おかげさまでとても好評です。

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こちらはダークネイビーにピンドットをあしらったもの。
黒に限りなく近い深い紺が光に当たり、濃淡がとても美しく現れます。
ドットの点が小さく、感覚が広ければよりドレッシーになります。反対に、ドットが大きくなればなるほどカジュアルになります。そのいい塩梅のタイが、なかなか探しても見つからないのです。

上の写真のグレンチェックのスーツは”Harrisons of Edinburgh”の「Regency」。290gmsというライトな厚みで、しなやかさと上品さを持つ生地です。
屋内で通年過ごしやすい気温が続くオフィスワーカーの方は、このくらいの生地感でいいのかもしれません。

このグレンチェックのスーツにピンドットのタイ、ホワイトシャツという組み合わせは、一つのジャンルでは完全完璧なコーディネイトだと思います。靴はもちろん黒の内羽根です。

この組み合わせで真っ先に思い起こすのは、映画「セント・オブ・ウーマン」のアル・パチーノ。

セントオブウーマン

とてもいい映画です。洋服を着ることは素晴らしいと感じます。そして、ダンスも踊りたくなります。笑
この作中のアルパチーノのスーツは、とてもアメリカ的なシルエットです。アメリカの富裕層のスーツの着こなしも見られるため、とても参考になります。
アメリカでは政治家、エリートサラリーマン、金融街で働く人々、、それぞれが着るブランドやシルエットが大きく分かれています。政治家はブルックスブラザーズ、エリートサラリーマンはJ・PRESS等。(他にもいくつかありましたが、うろ覚えです。また思い出したら追記します)

また、英国に強い憧れを持っている米国ですが、アメリカであまりに典型的なブリティッシュなスタイルを貫いていると、快く受け入れてもらえないそうです。
ダブルカフス(フレンチカフ)ではなく、ボタンカフ。シャツの襟は、セミワイドではなくボタンダウン。彼らに受け入れられるためには、そういった柔軟性が求められます。郷に入っては郷に従う大切さを強く感じます。


まだ2月に入る前ですが、完成が3月以降となると、気持ちはもう春にむいていきますね。
早速、夏物第一弾が届きました。

”Smith Woolens”の「Finmeresco」。

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実はこちらの生地、スミスウーレンズがハリソンズの傘下に買収される前から愛用していたものだったのでした。初めて仕立てたとき、素晴らしいクオリティで感動したのを覚えています。
しかし大本が変わり、日本での取引が一時なくなり、スミス自体は復活したものの、このFinmerescoはなかなか復活しませんでした。
それが今年ようやく日の目を浴びます!

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4PLYという英国生地好きにはたまらない質実剛健な生地でありながら、しっとりとした柔らかさも兼ね備えているとてもバランスのとれたクオリティです。他にも3PLYやHIGH TWISTなど、日本の夏に扱いやすいクオリティばかりです。

(※)強燃糸のスーツ地と聞くと、日本では英”Martin & Sons.(マーチンソン)”が代表的かと思いますが、同じ強撚糸でも触り心地が随分異なります。
スミスの方はしっとりとやわらかく、ざっくりしているにも関わらず、上品な仕上がりになります。
対してマーチンソンは、まさに”ヨロイ”のような、働くビジネスマンのためのスーツです。

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(※)強燃糸=文字通り、”強”く”撚”る”糸”によって形成された生地。一本一本を撚り上げるため、丈夫で質実剛健な様になる。通気性が良く、日本のような高温多湿な気候では抜群に相性のいい生地です。
他にも、Wool 100%のメッシュ地のジャケット生地もあります。
モヘア混の物が多いなか、350gmsという肉厚でウール100%という扱いやすい生地で、日本の夏では明らかにオーバースペックなのも魅力的です。笑
それが今の時期に作る愉しさでしょう。夏にとらわれすぎずに、春夏物を考えられます。


さて、BERUNも来月2月をもちまして8年目となります。
ここまで営んで来られたのも、全て皆様のおかげです。
創業当初から「トラッド」を一貫しておりますが、年々、日々、作り出していくものが変化していくことも感じています。
作り手の技術やセンスがそのまま製品に投影されるため、常に新たなものを見て感じて、これからもより良いモノづくりに挑戦していくつもりです。

これからもよろしくお願いいたします!

 


Atelier BERUN

東京都新宿区神楽坂6-8-23

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