フレスコとポーラと夏と

BERUNです。

GWも終わり、夏の猛暑を思い出す日が増えてきました。
この時期までくると、春先には薄くて気持ちがいいと触っていた240gmsほどのタッチの生地も、そろそろ暑く感じてくる頃です。
そもそも250gms以下となると夏向けの生地ですが、30度前後になってくると、もはや関係ありません笑

(※)gms=生地の1m辺りの重さを表す値。現在ほとんどの生地は、横幅が150cmのダブル巾で織られており、横幅と縦の重さのことを表します。170gmsのような極薄い生地から、1,000gmsを超えるヘビーな生地もあります

最近では200gmsを下回る英国生地も増えてきました。アジアマーケットを意識して、英国も色々と開発をしているのでしょう。

わたしは夏こそ、ジャケット&トラウザーズ(俗に言うジャケパン)スタイルの機能性が発揮される時期だと思います。

IMG_3656<ポーラ>

ガシガシ使いたいトラウザーズは、フレスコ、ポーラのような強撚糸のしっかりとしながらも通気性のある生地が活躍します。
こちらの生地は色味とハリ感に心奪われ、ロールで仕入れました。夏のスラックス用にライトグレーは活躍します。生地の買い付けも年々増えておりますが、もはや個人の仕立て屋の保有量ではなくなってきています。笑

IMG_3655<抜群の通気性と強いコシが魅力>

対して如実に生地の厚さが命取りになる上着は、メッシュ地の軽量なジャケットや、リネン素材を使い風の抜けていく仕様にする。

そのように、生地を薄くせざるを得ない夏こそ、上下でそれぞれに向いた生地を使うのがいいのです。

元々はスーツの前身は、上中下、全て異なる素材で仕立てておりました。
その香りが今でも残っているのが、モーニングコート、イヴニングコートです。

昔は馬に乗ったりとトラウザーズに負担が大きかったため、下の素材は上衣よりもタフなものを使っていました。
それが時代を経てスーツ(一揃い)として作られ、国民服となり、現在の形となったのです。
その辺りの話はthe bookに詳しく書いています。

わたしはそういったことも踏まえ、スーツを作る場合はあまりにも薄すぎる生地は決して進めません。
240gmsがリミットだと思っています。
それ以下になってしまうと、生地の表面の立体感もなくなるため、仕立て映えもしなくなってしまうからです。


GW中、古いお付き合いであるお客様がディナージャケット(タキシード)の依頼をしてくださいました。

当初は、費用面で難しいかもしれません。と仰られていたのですが、式の1ヶ月半前に、やはりお作りしたいと言っていただきました。とても嬉しかったです。やはり祝いの場で着る洋服が打ち合わせをしていて一番愉しいですね。

IMG_3650

4月上旬、英国から届いた生地に一目惚れし、まとめてロール買いをしました。
ウール70%/キッドモヘア30%、TAYLOR & LODGE社のタキシードクロスです。
ウェイトは350gms前後かと思います。

黒は最も生地の善し悪しが出る色です。写真を見ていただけたらお分かりかと思いますが、まさに”黒光り”という言葉が適切な美しい生地です。だからこそ、わたしも常にアンテナを張ってよいものを探しています。

生地の段階でこのハリ・コシ。仕上がりの美しさが容易に想像できるとともに、その想像を大きく超えてきてくれるでしょう。

近い内にディナージャケットをお作りになる方には、こちらの生地をご提案いたします。
間違いのない、最高級に美しい生地です。

もう、、本当にいい生地です笑

 


BERUNのオリジナルタイもありがたいことに好評です。

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こちらは、ストライプのスーツにロンドンストライプのホワイトカラーシャツ(またの名をセパレーテッドシャツ、和製英語ではクレリックシャツとも呼びます)、タイはネイビーの小紋タイと全て柄の組み合わせですが、柄同士の大きさや種類が異なるため、難なく合わせることができます。
生地はSmith WoolensのGILT EDGE。

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こちらは同じくブルーのホワイトカラーシャツに、ワインレッドのソリッドタイ。こちらのタイは何にでも合わせられ、どなたでもいやらしさのない範囲で華やかさを演出できます。一度売り切れてしまいましたが、色味を少し変え、再度作成いたしました。
こちらの生地はSmith WoolensのFinmeresco 3PLY。

 

私はサンプルでただいまシアサッカー生地で3ピーススーツを仕立てております。
盛夏に軽やかに過ごすことのできる装いを毎年追求しています。
また、完成しましたらご報告をいたします。

 


Atelier BERUN

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