夏を快適に過ごす方法

BERUNです。

関東も梅雨入りし、パッとしない日が続いています。

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店前の紫陽花は神楽坂随一の美しさです。
今神楽坂で最もインスタ映えするスポットではないでしょうか。笑

香港に行ってからというもの、猛暑をどうおしゃれに、なおかつ快適に過ごせるか、ということをしばらく考えています。
日本は夏となると、ポロシャツやカジュアルな開襟シャツ、またはストレッチ素材のジャケット、パンツという方向にいきがちです。
楽で着やすいけれど、しっかりと見える。日本の雑誌が好きな4文字「こなれ感」にいきます。
こういうスタイルは大手に任せておきましょう。オンとオフの区別がないカジュアルスタイルは、巷に溢れる洋服でまかなうことができます。

ストイックにスーツスタイルを楽しみたい部分もありますが、昨今の日本の暑さは異常です。
そして梅雨に入ると、湿度で洋服を着る楽しさが減っていきます。
本当に涼しい夏のスタイルというのはどのようなものでしょうか。私なりに考えてみました。

まず、夏になると当たり前ですが、生地が薄くなります。重さでいうと、200~240gmsというのが一般的になってくるでしょう。
世間一般的には肉厚な英国生地ではなく、薄く軽やかなイタリア生地に傾倒していきます。冬にはツイードを着ていた人も、夏にはイタリアンスタイルになるというのが日本の現状です。
夏生地は軽くて着心地がよいですが、生地の作られ方で快適さが変わります。

 

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例えばこちらは、350gmsという聞いただけでも汗が止まらない厚みですが、メッシュ地になっており、風の抜けを実感できる生地です。

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こちらは盛夏用の生地、220‐240gmsという軽さです。さらっとしており、30度を超える日でもジャケットとして着用することができます。軽い生地でも、表面がつるっとしているものは、高湿のときはべたつき、不快感を覚えるかもしれません。
日本がヨーロッパと異なるのは、アジア特有の湿度です。他のアジア圏に旅行に行くたびに思いますが、こんなにも高温多湿な夏を迎える国で、洋装のおしゃれが文化として栄えたのが不思議で仕方ありません。
高湿なときは、さらっとした軽い生地もいいですが、上のようなメッシュ地のような表面に凹凸があり、風が抜ける生地の方が不快感がなく着られると私は思います。

シャツで例えるのであれば、130双のブロード生地よりも、がっしりとした凹凸のあるオックスフォード生地の方が、夏は快適に着られます。表面積の肌に触れる少なさが、不快感をなくす方法です。

 

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こちらは先日、仮縫いを終えて完成した3ピーススーツ、Smith Woolensの生地を使用してお作りしました。

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強撚糸で織り上げられたハリコシのある生地は、身体に綺麗にのっていきます。
ブレイシーズに釣り上げた深い股上のトラウザーズは、これからの季節に上着を脱いだときにとても美しいシルエットを演出してくれます。
シワになりづらく、着れば着るほど身体に馴染んでいくため、経年変化を楽しむことができます。

 

ここまでお話ししましたが、表面の凹凸があるものでも、極端に涼しさを感じるというわけではありません。
やはり暑い日に上着を着ていたら何を着ていても暑いものです。
伝えたいことは、ただ暑いから軽い洋服を選ぼうという方向に流れるのは、一辺倒で面白味がないということです。
せっかく世の中には季節毎に素晴らしく工夫をされた生地があるのに、それらに気付く視点を失ってしまいます。

着るシーンを考えて、素材の特徴をある程度覚えたら、夏のおしゃれをもっと楽しむことができるかもしれません。

 


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