装える喜び

BERUNです。

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日本人は幸せだ。
なぜなら、自由に装える国だから。
高価なブランド物の財布を露わにしながら歩いても、他の国に比べて圧倒的に盗まれる心配はない。
階級に左右されず、自分が着たいと思うものを着ることができる。
しかし自由に装える国だからこそ、選択肢が増えすぎてしまい、本当に自分の求めているものを見つけられない人が多いだけ。
野良着を着ることもできるし、タキシードを着ることもできる。
こんなにも自由な国に生まれて、装いを楽しまないのは本当にもったいない。

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2010年の創業間もない頃からお付き合いのあるお客様が、この度ご結婚をされるということでディナージャケットのオーダーをいただきました。
東南アジアで仕事をしているH氏。パートナーは現地で出会った異国の素敵なお方でした。

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わたしは誰にもかれにもACB(何度も言いますが、アンチクールビズです笑)と言うわけではありません。
仕事の環境によって上着を着ない方や、カジュアルスタイルがお好きな人には、その人に合わせた最大限のドレスコードを提案します。
この時期はサンダルに短パンで来る方もいます。そういう方に、白のリネンスラックスに、リネンシャツを合わせた夏のコーディネートを提供して、そのままの格好でお帰りいただいたりします。入店時とまるで別人です。
その人なりの装いのステージを少しずつ底上げしていきます。
ショック療法のようにいきなりとびぬけた上質なものをお渡ししても、その人のワードローブになりづらい。洋服は神棚にあげてはいけない。毎日のように気倒すからこそ価値があります。

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話がそれました。
ノーベントは背中の美しさが肝です。本人はこの綺麗な背中が見られないのがビスポークのにくいところ。
H氏も長いお付き合いになりますので、クローゼットはスケルトン状態で見通せます。そろそろあのスーツは痛んできている頃ではないだろうか。2010年に作り、股下が両方破けて補修したスーツを、今でも愛用していただいています。
お客様と長く付き合うことで双方にいいことがあると思います。

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ディナージャケットをカーディガンのように楽に着ることができるようになれば、一端の男になったということなんだと思います。そもそもディナージャケットは少しくだけた寛ぎ服でした。
洋服に着られないように、だからと言ってただ簡単で楽な服を着るわけでもない。洋服に育てられながら、洋服を育てる。洋服と良い関係を保つ。肩肘張らずに気取らずに、自然に装うことができれば、こんなにも洋服を着ている時間を楽しめることはないと思います。

 


Atelier BERUN

東京都新宿区神楽坂6-8-23

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