BERUNです。
関東でも緊急事態宣言が解除され、徐々に街に人が戻ってくるでしょう。
BERUNも少しずつですが、ご予約の連絡をいただくようになりました。
今まで当たり前にできていたことができなくなってしまうことは残念ではありますが、新たな時代の幕開けとして、これからの人生をどう生きていこうか、ということを考えていくことは有意義ですね。
アフターコロナ、スーツは無くなるのか?
コロナの影響で、今後スーツの需要は確実に減っていくと思います。
ですが、スーツというものは無くならないと思います。
今までスーツを”着させられていた人”たちは、スーツではなくカジュアルで仕事ができると喜ぶ方もいるでしょう。ですが、元々そういった方は、今までスーツを着る必要がなかったのかもしれません。
世界有数のスーツ着用国
the bookにも書いていますが、日本は世界有数のスーツ着用国です。
つまり、他国では着る必要のない仕事の人も、日本では着させられている実状があります。
多くの人が、自分自身の意思で着たいといって着ているわけではないのです。
それが、日本人でスーツを格好良く着ている人が少ない原因の大きな一つです。
極端な例ですが、学生が着る学ランと、将校が着る軍服。
そこには明確に、物は違えど、着ている人の意識の違いが大きくあります。
スーツを消極的に着ていた方は、今後着なくてもよいというルールになれば、そそくさとスーツを脱ぎ捨てるでしょう。
ですが、自らの意思で着ることを選んでいる人は、今後も着続けることを選ぶと思います。
スーツは古くなっていくのか
オールドスタイルといえば、古く朽ち果てていくように聞こえてしまいますが、本来の人間のあり方に素直に生き続ける人、すなわちクラシックスタイルの人たちのスタイルは古くなりません。
むしろこれからスーツは特権となり、価値は廃れるどころか上がっていくでしょう。
現代の和服のように、そこにいるだけで美しいというようなものに昇華していくいい機会だとわたしは思います。
ぴったり作ることだけが正解ではない
オーダースーツのある会社では、店に3Dスキャンの採寸機械があり、それに入るだけで全身測ってくれるというものが、すでに導入されています。
その店に店員は一人いるのみで(いないお店もあったかもしれません)、自分で生地を触って、採寸を機械にしてもらい、カードで支払い、後日スーツが届くという仕組みです。
誰にも関与されずに、身体に合ったスーツを届けてもらうのを望んでいる方にとっては、とてもいい仕組みだと思います。
このように、3Dスキャンで機械が採寸する技術は、すでに確立しています。
以前、人と機械が人の身体を全身採寸するという企画で、銀座のテーラーが採寸した数字と、機械がスキャンした数字を見比べて驚きましたが、全ての項目が1cm以内の差寸でした。
(これは採寸したテーラーの方の技術が素晴らしいこともわかりますね)
人が測る数字は、小数点以下は0,5cm刻みです。
テーラーの採寸した数字の肩幅が45.5cmであれば、機械が採寸した数字は45,3cmという具合です。
ですが、この小数点は大きい問題ではありません。
人にしかできない仕事
人と機械の違いですが、人がする採寸は、全体像を見て、その数字を生かすこともできれば、殺すこともできるところにあります。
その人のスタイル、コンプレックス、性格、すべてをふまえて、形に起こすことができるのは、”その人”にしかできません。
医者が一人一人出す答えが異なるように、テーラーも一人一人、作り出すものはまったく変わります。
画一化される機械の物づくりとの違いはそこにあります。
それを選ぶことはこれからの時代、自分次第なので、身体にぴったり合いさえすればいいという方は機械採寸でいいと思います。
自分自身の魅力を自身が知らないレベルで、最大限まで広げてくれるのを望んでいる方は、オーダースーツではなく、ビスポークを選んで間違いないと思います。
(オーダースーツとビスポークの違いについてお知りになりたい方はこちらをご覧ください⇨http://berun.jp/magazine/formal-wear/)
物を持つことの価値がなくなっていく
これからの世の中、物をたくさん持っているということによる価値はほとんどなくなるでしょう。これは3.11もターニングポイントでありましたが、今回のコロナでより進んでいくと思います。
靴を100足持っているより、自分のライフスタイルに適した靴を数足しっかりと揃えている方が、よほど自分らしい生き方で、価値が高まると思います。
(物に押し潰されているわたしがいうから説得力があると思います笑)
物に価値がなくなっていく未来、その先にあるのは、自分の人生の価値を高めてくれるものだけがあるということが、理想の生き方になると思います。
ただ物を買うのではなく、ストーリーに物が付随してくる、というくらいの方がこれからの時代、価値が高まるのではないでしょうか。
新しい動画
先週、新たな動画を2本作成しました。
サスペンダー(ブレイシーズ)についてと、スラックスの裾についてです。
特にブレイシーズの方はかなりマニアックなので、見てくださる方がいるだけで幸いです。
ですが、これをご覧になっていただけたら、なぜBERUNのスーツのシルエットは美しいのか、お分かりいただけると思います。
秘伝のたれの一つの材料を公開している気持ちですので、ぜひお目通しいただけたらと思います。
オンラインショップ開設のお知らせ
実は、しばらく前になるのですが、HP上にオンラインショップを開設しておりました。
ネクタイ、ブレイシーズがメインですが、これから少しずつ、物も増やしていこうと思っております。
Atelier BERUN
東京都新宿区神楽坂6-8-23
◆http://berun.jp/
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◆Tel : 03-3235-2225