BERUNです。
真夏の訪れが刻一刻と迫ってきています。
「遊べない夏」
これほど苦行に等しい言葉はないでしょう。
夏は楽しんでナンボ!という人たちにとっては、今年の夏はなかなかの試練になるのではないかと思います。
アクティビティやイベントで楽しむことができないなら、装いで楽しむしかないでしょう。
リネンシャツもお渡ししきりました。
そして今はリネンのトラウザーズをお渡ししています。
つまり全身リネンに包まれるわけです。
そこまで合わせたら、靴はやはりコンビシューズがいいですね。
ジャケットがなくとも、着るものがシンプルでもこれだけ格好良く見えます。
最近はスーツに限らず、お作りするものが9割ベルトレスになってきています。
股上を深くとり、腰骨の上で履くトラウザーズは、軽くサイドアジャスターを引くだけでぴたっと留まります。
夏でもジャケットを着たい
「真夏でもジャケットを着たい」
そのように言っていただける方は、心の中で抱きしめたくなるほど嬉しいです。笑
なにより心意気が気持ちいいですよね。
だからこそ、格好いいものを作りたいと気持ちが引き締まります。
こちらは伊ARISTONの生地を使用してお作りした、シアサッカー地のジャケット。
夏はイタリアの生地を使う場合もあります。
シアサッカーは、表面に凹凸があり、涼しげな印象を与える夏の定番の生地です。
と言っても、涼しげなのは見た目だけです。笑
ほとんどのシアサッカーはコットンで作られています。コットンはあまり風を通しません。
ここでやはり、「お洒落は我慢」という言葉が出てきます。
夏の洒落者は、”人に不快感を与えない”ことをなによりも優先します。自分が我慢できるのならしましょう。
こちらのジャケットは、袖裏まで省きました。
生地がコットンのように、丈夫な生地だからこそできる仕様です。
袖裏も付いていないため、ポロシャツを中に合わせても着られます。袖がベタつくという心配がありません。
シアサッカーという表情のある生地だからこそ、成り立つ着こなしです。
(こういうムズカシイ着こなしを自己流でやってみて、事故流になっている方がたくさんいます。。)
白のリネントラウザーズとコンビシューズのつながりがとても美しいです。
引き算の難しさを再認識する季節
ジャケットを着ない場合の夏のコーディネートは、どういったパターンの着方があるでしょうか。
これは人それぞれ似合う似合わないの話があるので、一言では語れません。
皆様には、自分ならではのスタイルを早々に見つけて、季節毎の決まった楽しみ方を手に入れていただきたいです。
最初にご紹介した全身リネンのコーディネートは、どなたでも格好良く快適に着こなすことができるので、お勧めできます。
上の合わせは、ブルーのリネンシャツに、ブルーのリネン素材を使ったブレイシーズを合わせたコーディネートです。
「ブレイシーズは下着である。見せるものではない」
というのが英国の意見です。
対してイタリア、アメリカは、サスペンダーはファッションのアイテムであるから見せるべき、という発想です。
どちらも間違いではありません。なので、そこはやはりそのものが生まれた国に従って着こなしを考えていきましょう。
こちらのサスペンダーはイタリア製のもの。リネンの生地はHarrisonsのMersolairを使用しているというこだわりです。
確かにこうして合わせたものを見てみると、イタリア製のものは、隠すというより、見せる方が映えます。これが英国のアルバート・サーストンではこうもいきません。
シャツとブレイシーズの素材を合わせているため、ブレイシーズが外に出ていても違和感がありません。しかも同系色です。これは非常にスマートなサマースタイルですね。
こちらも全身リネンのコーディネートです。リネンシャツにトラウザーズ、ジャケットまですべてリネン100%。この店はどれだけリネンを推すのでしょうか。笑
最近購入したグローブトロッターを見せに来てくださいました。Kさま。
20,30年と使って、次の代へと託していってほしいです。
コロナを機に、物質世界から変わると言っている方たちがいますが、こういった”物”は残り続けていくでしょう。
短絡的な欲求直結型の物はなくなるかもしれませんが、本能的に良い!と感じるものはなくなりません。
そういったものに囲まれて、生きていきたいです。
Atelier BERUN