冬服の生地たちと散財日記

BERUNです。

8,9月で思いのほか置いていた生地が旅立っていったため、生地棚に隙間ができたことを見計らって、また新たな生地を買い足しました。
新しい店舗では生地棚を横に並べて置いているため、ずらっと陳列された生地はとてもいい眺めです。

今回新たに仕入れた中で面白い生地がこちら。

なんと英国のブランド、ハケットがFOX BROTHERSに別注して作った生地です。
計4種類。それぞれ1着ずつ仕入れました。

こちらはベーシックで間違いのないグレーフランネルのチョークストライプ。

日本ではなかなか着る人が少ない柄ですが、仕上がりの格好良さは格別でしょう。往年の映画スターを彷彿とさせるクラシックスタイルでお仕立てしたいです。

こちらもベーシックなライトグレーのフランネル。スラックス一着分を買い付けました。
程よい厚みで、少し涼しくなった位から着用できるのが魅力です。

こちらは黒のコート生地。よく見るとヘリンボーンの織柄があります。魅力的な肉感で、真冬にも耐えうるチェスターフィールドコートが出来上がります。

最後に、こちらは個人的にドンピシャに好みな柄です。くすんだオレンジにグリーンのハウンドトゥース。かなりガシッとしたツイードなので、たくさん着込んで、空気やほこりに触れて少し色がくすんでいくのが楽しみな生地です。

格好良いですねぇ。(心の声)

冬こそ英国生地が本領発揮する季節です。

こちらは2色ずつおさえた、英国マーチャント「PORTER & HARDING」の生地です。無地のツイードは着る人を選ばないので、初めてのツイードにいいでしょう。
厚すぎず、体格を選ばずに着られるのが魅力です。いい意味でツイードらしさがないので、ビジネスでもカジュアルでもあらゆるシーンで着用したくなります。

これまた完全にわたし好みの色柄です。

見た目とは裏腹に軽めのツイード生地。THEイギリスの田舎のおじさん、というようなアンファッショナブルな雰囲気がなんとも言えません。

どれも一着ずつですので、どなたに着ていただけるのか、とても楽しみです。

散財日記

久しぶりに色々買い物をしました。
数年ぶりの散財日記を書きます笑

どれだけ洋服を持っていても、隙間産業のように、これとこれの間のものがない!と欲は欠くことを知りません。まぁ、欲があるうちが華だなと、自分という人間を楽しんでおります。

先週子供の洋服を探しにアウトレットに行った際、ずっと欲しかったけどなかなか探せずにいたものを偶然見つけたので、思わず買いました。
(子供の洋服を探しにという言い訳を作っています。わたしにとってはどんな場所も宝探しなのです笑)

スペルガ

それがこちら、スペルガのウール素材のスニーカー。
スペルガといえばキャンバスが定番ですが、これは秋冬に履きたくなるウール製。
わたし個人的には、白のキャンバススニーカーは自分には似合わないと思っています。一応持ってはいますが、ほとんど履くことはありません。

こちらのスペルガは、コンパクトな作りで程よいカジュアルさがあるため、ジャケットスタイルにもとてもよく合います。キャンバスよりもウールの方がエレガントになるため、よりジャケットとの合わせはいいです。

こちらはわたしが行った日に入荷したようで、なんともラッキーだと感じ、サイズをじっくり選びながら購入しました。
革靴だと重いなぁ。もう少し軽い感じで合わせたいと思ったとき、スペルガはお勧めです。
ただ、ウールという素材の特性上、夏に履くことはできません。夏はキャンバスで涼し気なスニーカーを履きましょう。

わたしがいつも皆さんにお勧めしているスニーカーは、ドイツ軍のトレーニングシューズであった「ジャーマントレーナー」です。

この靴はカジュアルなシーンで履くものです。テーラードに合わせるものではありません。
(ジャーマントレーナーは様々なブランドがデザインソースにして、未だに微細な変化をしながら作り続けられている名品です)

極論わたしの見解としては、スニーカーはジャーマントレーナーとスペルガがあれば十分だと思っています。
どちらもローテクスニーカーなので、履き心地は一般的なスニーカーよりは劣ります。ですがわたしは、履き心地を優先して、ハイテクスニーカーのゴテゴテゴツゴツしているものを履きたいとはあまり思いません。

高円寺「TRUNK」にて

わたしが最も信頼している古着屋、高円寺のトランク。ここではコートと靴を購入しました。

まず靴はジョンロブのコテージライン、ウラヌスというモデル。1990年代の物です。(コテージラインは2004年で生産終了)
コテージラインはほとんどゴム底で作られているものですが、こちらは革底です。
ギリーシューズのような紐の作りで、2アイレットのため、靴の脱着がとても簡単。この手の革靴で脱ぎ履きがしやすいというのはとてもありがたいです。
純正シューツリー付きで、わたしの大好きなダークブラウンの型押しレザー。これを見せてもらった瞬間、買わずにはいられませんでした。

作りの良さ、革の品質の高さを見て思うことは、レディメイド(既成靴)の革靴の全盛期は、やはり90年代で終わったと言わざるを得ないということ。
なぜなら、エドワードグリーンも90年代に多くの腕のある職人が業界から去っていくという出来事が起こりました。もちろんその流れはグリーンだけではなく、他の靴工場でも起きました。その当時、人気のモデルを支えていたような要と呼ばれる職人が続々と離れていったのです。

2000年代にはより簡略化された靴作りへと形態を変え、品質が下がるとともに、価格は毎年増加していくという悲しい流れが今も続いているのが、既成靴業界です。
なのでわたしは今は、オーダーでもない限り、新品で靴を買うことはほぼありません。
生地もですが、やはり靴も昔の一級品を見ると、今はもう作れない品質のものを見かけます。それを見つけては、当時の職人の腕の良さに胸を打たれ、今の時代からでもより良いものを残していきたいという思いに駆られます。

お次はコート。

こちらも一目惚れでした。英国贔屓のわたしですが、良いものであれば世界中どこの物でも受け入れます。
こちらはイタリアのLONGHIのネイビーウールコート。ベーシックなラグランのヘリンボーン柄です。

一見普通のコートですが、このコートの真髄は内側にあります。

なんと裏地が総ラビットファーでできているのです。
現代では動物愛護団体が黙ってはいません。もう同じようなコートを作ることはおそらくできないでしょう。
奢侈禁止法の時代を彷彿とさせる、自分にしかわからない贅沢。
内側に虎や龍が潜んでいるのではなく、こういったこだわり方はとても粋だと思います。

わたしがヴィンテージが好きな理由は、洋服を通して当時の時代背景を感じることができるからです。

絵画もそうですね。フェルメールがなぜ美しいのか。今は青のインクは当たり前に誰でも安価で手に入れられるようになりましたが、フェルメールが生きていた17世紀は、青のインクというのはとても高価で(当時は金よりも高価)、画家が使えるとしてもほんの少ししか使えなかったそうです。
それをフェルメールは青をふんだんに使い、作品を作り続けた。(例えなので、とてもざっくりとした解説で恐縮です)

物の背景が分かると、なぜ人の心を掴むのかがしっかりと見えてきます。

洋服も同じです。
大量生産されたものではなく、人の手がかけられたものを選んで身にまとうことの価値を知ってほしい。
わたしは洋服を通して、多くの人にもっと人生を丁寧に生きてほしいと伝えたいのです。

灯の大切さ

最後に、

新しい店にどうしても置きたい照明がありました。

購入したところは西荻窪のcollection’s(コレクションズ)。昨年出会った店で一番衝撃を受け、たくさんの影響を与えてくれたお店です。そこから自宅の照明、店の照明とどちらもとてもお世話になりました。

こちらはJefferson(ジェファーソン)という100年近く前のランプです。

前の路面店は作り付けのダウンライトのみでしたので、照明で店作りをすることができませんでした。自宅を建てるときにひたすら勉強しましたが、知れば知るほど、照明の世界も深く大変濃ゆいもので、わたしはすっかり魅了されてしまいました。

蛍光灯ばっちり、ダウンライトで全面明るく、という現在の日本の建築とは正反対の、照明が一つの作品として扱われていた時代のもの。

時代は戻すこともできなければ、昔に戻りたいなんか考えても意味のないことです。今をいかに楽しむか、わたしたちにできることはそれだけです。そのためには、職人、プロフェッショナルが丹精込めて作ったものに触れる。そして生きている心地を味わうこと。それが豊かさと活力を与えてくれるのだと思います。

壁に反響するゆらりと光る灯りが、生き物のような美しさです。

やはり、想いを込めて作られたものは、所有する喜びを教えてくれますね。

Atelier BERUNの夜はとても綺麗です。

なんだか今回はとても偏った内容になってしまいました。毎週書いているので、内容は玉石混合、ご勘弁ください。

もうすでに来週のネタも仕込んであります。
お洒落の季節の本番はこれからです。

-Atelier BERUN-
東京神楽坂のビスポークテーラー

東京都神楽坂6-73-15
メゾンドガーデニア301

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