BERUNです。
コロナの影響により、人の繋がりも分断され、オンライン会議では上だけジャケットを着ればいいという笑い話のようなことも現実に起こっている世の中になりました。
先日、ずっと行きたかった足立美術館まで足を運んできました。改めて、人の胸を打つ美というのは、すべてが繋がっている、連動していることが大切なんだと感じた場所でした。
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たとえば絵画にしても、日本人は絵の中にしか注目しない人が多いなか、西洋画は額縁まで込みで美しさを想像します。
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これは絵の世界観に合った額縁を作る(または選ぶ)ことも、絵画を作る上では創作の一部だということの表れです。
足立美術館は入り口を入りまっすぐ歩を進めると、庭園が見えてきます。
この庭園には終わりがありません。創作者である足立全康氏は、向こうに見える山までも、庭園の一部として創作したそうです。
庭もいくつかありますが、それぞれが分断されておらず、すべてが繋がっています。
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円なら円。線なら線。人が美しいと感じるものには共通点があります。
これはコーディネートでも同じことがいえると思います。
装いに繋がりを用いる
まず、現代の日常洋服で最もつながっている美しさを作り出すことができるのは、スリーピーススーツだと仮定して考えてみます。
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レディース服でいえばワンピースがそれに当たるでしょう。一見シンプルで簡単そうに見えるものだからこそ、工夫がなくては平凡になってしまいます。
首から肩に流れるように生地が落ちていき、ウェストコートからトラウザーズのつなぎ目は、身体とヒップがまるで一体であるかのように作り出すことで、人の身体を最大限に美しく見せることができます。
スリーピースの真髄を理解していない作り手、または既製品でスリーピーススーツを揃えようとすると、このつながりは生まれません。
「スリーピースでもツーピースでもどちらでも着られます」
または、
「いろんな着方ができます」
というような謳い文句は、そもそもつながりを意識していないので、理想的な美を作り出すことはできないでしょう。
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スリーピーススーツではなく、ジャケットスタイルでも同様のことがいえます。
ベルトというアイテムは、上と下を切り離してしまうアイテムです。
ベルトは実用品ではありません。上と下を意図的に切り分けるときに使うアイテムです。
わたしはシャツとトラウザーズの色が近いときはベルトを使うことがありますが、あまりお勧めはしていません。
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また、上と下のシルエットが極端に異なる洋服は空気が乱れます。
寸足らずのスラックスはもはやここでは語るのをやめておきましょう。
肩から下に向かって流れてきた繋がりを、靴まで届けずにくるぶしで終わらせてしまうのは非常にもったいないです。
カジュアルファッションであれば何も言うことはないのですが、テーラードとファッションの着こなしを一緒にしてはいけません。
これは巷で溢れるお洒落のコツではなく、何が美しいかという話です。
小手先の手法ではなく、雑誌を読んで学んだ知識ではなく、人としての感性で何が美しいのかそうでないのか。そこに重きを置いていただきたい。
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今の季節であれば、素材感を合わせることも分断を生まないことの1つです。
ツイードやフランネルのような起毛した素材にはブロードのシャツ生地は合わないように、他のアイテムもなるべく起毛した素材を合わせる。
そうすることで、ジャケットスタイルであっても、繋がりを生むコーディネートを作り出すことができます。
天と地が繋がっているように、自分の頭からつま先までの連動を、考えてみてたいものです。
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-Atelier BERUN-
東京神楽坂のビスポークテーラー
東京都神楽坂6-73-15
メゾンドガーデニア301