BERUNです。
10月に入り、すっかり脳内は冬モード。
早めに冬支度をされた方の洋服が仕上がってきております。
ヴィンテージカシミアコート
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/81C60F35-CEBD-4A36-9CC6-11628CC7108A-1024x769.jpeg)
カシミアのコートのご注文を多くいただいております。
現行のカシミアももちろん素晴らしい生地なのですが、やはりカシミアもヴィンテージを触れば違いに唸りを上げてしまいます。
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/4C14E21D-6064-4329-B49A-A3A480D3E280-1024x769.jpeg)
Moor Brook社のカシミア100%のチェスターフィールドコート。色はキャメル。
素晴らしい生地と熟練の仕立てが合わされば、あとは何も足す必要はありません。
シンプルこそ全てです。
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/BF3F24DC-C8EB-4FBC-9E0C-79BEB1271539-769x1024.jpeg)
フィッティング時はポロシャツでした。本来は中にジャケットを着るため、もう少しフィット感が生まれます。
ヴィンテージのカシミアと現行のもの、何が違うのかと言いますと、打ち込みの強さが明確に違います。
現行のものは柔らかく、これぞカシミア!という触り心地ですが、ヴィンテージのものは、触ってみると、
「カシミア100%ですか?」
と聞きたくなるほどの強さがあります。
これは当時の織機や原毛がもう取ることができないという話もありますが、過去と現在の我々人間の好みが変わってきていることも要因として考えられるのではないかと思います。
柔らかく、きめ細やかで綺麗なものが美の基準である昨今。
そこを美の頂点とすると、現在の感覚ではヴィンテージのカシミアはチヤホヤされないのは致し方ありません。
しかし、人間の本能に正直になってみて、どちらがいいでしょう???と自分自身に問いかけてみると、やはり時間をかけて、手間をかけて、良い原毛で作られているヴィンテージのものの良さに気が付くのではないかと思うのです。
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/208E0B5E-31C3-4B81-A659-B11691D36279-769x1024.jpeg)
コートの丈は膝下がベスト。K様にお仕立てしたこちらも理想的な長さでした。
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/33BEB827-62AE-45BA-8B97-2AC596A37409-769x1024.jpeg)
カシミア100%でありながら、タフであるという現代の感覚からすると矛盾にも感じるこのコートは、間違いなく一生物になるでしょう。
K様、ありがとうございました。
FOX & HACKETT Flannel Suit
本国で、Fox BrothersにHackettが生地をオーダーするというスペシャルな企画がありました。
その生地を特別に、日本でも少しだけ買い付けることが出来まして、2年ほど前に仕入れてしばらく温めていました。
私が買い付けている全ての生地は、
「売れなければ自分が作ろう。。」
とニヤニヤするものばかりです。
過去には、
「安いし、買っておこうか」
や、
「こういうのたまに探している人、いるからおさえておこう」
という理由で買い付けているものがありました。
私もお客様も正直なもので、そういうものはやはりおすすめする気もあまり湧かないので、残ってしまうのです。
極論、私が絶対に間違いない!!と思えるものであれば、それがググっと刺さる方に出会えたらもうそれは運命なので、そのビビッとな出会いの(おせっかいな)仲人役という気持ちでおります。
前置きが長くなりましたが、今回のこちらのフォックスとハケットの生地も、まさにシンデレラ待ちでした。
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/9678CA29-360F-4E59-9F96-B15DA184476D-683x1024.jpeg)
まだ22歳のY様。お父様のトラッドのセンスを十分に浴び、素晴らしいセンスをお持ちでいらっしゃいます。
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/4997A1D7-62BA-4DA1-8622-F529BDAA29BF-682x1024.jpeg)
ライトグレーのストライプ。着る人を選んでしまいそうな生地ですが、この渋さの生地をまさか22歳の若者が選ばれるとは、フォックスとハケットも予想していなかったでしょう。⇦笑
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/83691442-61AB-42A3-A859-C1017399BD3D-683x1024.jpeg)
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/5C2A136C-20E8-417C-87D3-F502C27E5B1F-683x1024.jpeg)
小柄な体格でありながら、細身ではなく、あえてワイドでクラシックなフィッティングで着られるというY様。
深い股上、インの2タック。24cmの裾幅。全てがエレガントです。
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/27452625-98F6-4D00-B471-F7D9A4076345-683x1024.jpeg)
ベスト姿が本当に美しいです。。
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/D8440C76-D6EB-4E6B-AD9D-CE051A658DBC-683x1024.jpeg)
この生地でダブル。もう最高以外の言葉が見つかりません。笑
何枚写真を撮ったことか笑
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/013217B4-6B5F-4CDB-AECA-A557832AB983-683x1024.jpeg)
とことんクラシックに、ということで、ベントもノーベントです。
もう、、後ろ姿がたまらなく美しいです。。
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/0D6D8CFB-0E98-447C-B8D8-49207BFB3B31-1024x683.jpeg)
10年後とは言わず、20、30年後、が楽しみなスーツです。
このようなスーツを20代の方が選ばれる。まだまだ日本は終わっちゃいません。
日光ディナージャケット
私は話が合いそうなお客様には日光観光を勧めておりまして、日光A面は東照宮を行って、金谷ホテルに泊まる。という王道ルートをいくわけですが、日光はB面が楽しすぎるのです。
この度、日光に旅行に行かれ、なんと日光で式を挙げることになったお客様がおります。とてもおめでたいです。
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/6BEC6901-DC7F-40AC-83F3-F168D8A649C6-683x1024.jpeg)
ウールモヘアのブラックフォーマル生地。30mほどあったこの生地も今回で終わりになりました。
ハリと光沢が美しいこちらの生地は、ディナージャケット(タキシード)との相性がとてもいいです。
シングルのピークドラペル。
![](http://blog.berun.jp/wp-content/uploads/2022/10/0C1F118F-EE5F-4D3A-863A-829CEB2FF47C-1024x683.jpeg)
靴は王道ど真ん中のストレートチップ(キャップトゥ)。
ボウタイの結びを何度も練習され、本番を迎えるとのことです。
素晴らしい式になることを願っております。
いつになるかわかりませんが、旅好きなお客様限定で、日光でBERUNの夏のパーティをやりたいですね。
家族でOK。日帰りでも、宿泊でもOK。みなさんで夏を東京ではない文化地区で楽しみたい。そう思っております。
なかなかすぐにはできる話ではありませんが、ぜひこれは遠くない将来、やりたいイベントです。
あと、来年の2月のBERUNのパーティは今のところ開催しようと思っています。
もう2年も我慢をしたので、そろそろいいでしょう。笑
どんな風にやろうか、これから考えていきたいと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
↓インスタグラム、日々更新しております。
ぜひフォローお願いいたします!
-Atelier BERUN-
東京都港区元赤坂のビスポークテーラー
洋装士:竹内大途