YES

BERUNです。

仕事も終わり、家族で旅行に来ております。
ようやく、筆を進めることができます。
溜まりに溜まった写真たちを、わたしの小言と共にアップしていきたいと思います。笑

2023年はBERUNが大きく変化した1年でした。
赤坂から青山へ移り、店内も格段に広くなりました。

わたしが持っていたサンプルや山のような生地たち。そして海外や日本全国のあらゆる場所で買いこんでいたアンティークたちを自宅から持ってきたことで、よりわたしが作り出したい空間を作ることができました。

店内をうろうろして、色々なものを見て楽しんでいただく様子を見ることができて、とても嬉しいです。

生地のコレクションも日に日に増えていき、増える量と減る量のおかしなバランスに気がつきながらも、見て見ぬふりして日々ヴィンテージの生地を買い付けております。

これは何事にも通じることですが、良品や良縁との出会いは、すべてYESから始まるということ。

何か問いがあったら、まずYESと言ってみる。
そして、即行動してみる。
考えるのはその後にする。

この行動をすることにより、その問いを投げかけてくれた人からすると、
「おっこの人は気前のいい人だ」
となり、”その人が良縁につながる人であれば”、そこから自分が望んでいた縁が舞い込んでくるものです。

わたしも日々お客様とお話ししてまして、洋服やその他の身の回りのことでご相談を受けます。
例えばわかりやすいことで言えば、鞄や眼鏡、あとは部屋のインテリアや男の趣味などについて。

そのあたりはわたしは天文学的数字でお金と時間が流れているものなので、とてつもない量の失敗を経験しています。

それを踏まえて、今のわたしのベストアンサーをお答えしています。

そして実はこれって、本当に価値があると思うのです。

わたしが失敗した経験を踏まえて、間違いのないものを、かつその方に見合うものをピンポイントでおすすめできる状態なのです。

この話を聞いて、どうするかはその方次第ではありますが、わたしは今までの人生で言えば、そのようなお話があった際は、まず全てを受け入れてみるということをずっとやってきました。

もちろん騙されたこともいくつもありますし、ハズレを引いてしまったこともあります。

ですが今、結果として常にYESの選択をしてきてよかったと心から思っております。

だから、来られたお客様の中で、わたしがおすすめした物や事に対して、素直にすぐに行動してくださる方を見ると、わたしもとても嬉しくなるのです。
その瞬間、
「あっこの人にはもっと色々お伝えしても、きっと受け入れてくれるだろうな」
というスペースが生まれます。

それが相互にとって良い関係につながっていくことが多いと思うのです。

EVENかNOの先には、ナニモナシしかありません。

しかしYESの先には、GOODかBADがあります。

人生怖れて悩んでいては、ナニモナシの人生です。

GOODもBADもライブ感で、楽しめるようであれば、生きている!という感覚を感じることができるのだと思います。

あれ?これ洋服屋のブログでしたっけ?

忘れてました。
洋服のこと、書いていきますね。笑

休日にツイードジャケット

今年の初めにスーツを誂えに来てくださったH様。
人生初のツイードジャケットをということで、ご連絡をいただきました。

休日に奥様と出かけるときに、さっと羽織れるような感覚のものが欲しい。
それはツイードしかないですね!
となり、生地を選び始めます。

自分自身で生地を選ぶと、よほどお洒落な方でない限り、無地を選んでしまいがちです。

わたしは初ツイードなら、グレーのヘリンボーンがおすすめですヨ。と動画でお話ししていましたが、これはマスに発信する動画だからこのような話になりました。
もちろん正解なのですが、全員に対して70点以上のものが作れる、という提案で、ベストアンサーというわけではないのです。
ではベストアンサーはどうするのかと言いますと、プロが直接自分に似合うものを当てがってもらう。
それにつきます。

今回選んだのは、英Lovat(ラバット)のツイード生地。
ブラウンに青緑色の格子柄が入ったもの。
こちらをジャケットに、トラウザーズはベージュのキャバルリーツイル。
もうこの組み合わせは最高に格好いいです。

中はシャツでも良いですし、タートルネックを合わせても良いです。

自分ではこんな柄は選べない。
だからプロが選ぶんです☆

そのためにわたしのような人がいます。

スカイダイビングの後ろにいる人のような立場でしょうか。
この人がいるから大丈夫。
そして不安の中飛び込んで、不安から楽しみに変わる。

新しい世界を見せるために私たちのような存在はいます。

なので、自分1人で飛ぼうとしないでくださいネ。笑

なんとも言えない色を愉しむ

M様にお作りしたのは、ゼニアのトロフェオカシミヤの生地を使ったジャケット。

ゼニアはほとんど使うことがない生地ですが、ごくたまに良い雰囲気のものがあるので、ピンポイントで買い付けることがあります。

こちらに惚れたのはズバリ色。
ベージュ、ブラウン、カーキ、グリーン、あらゆる色が融合して、見事にマッチした色味。

これは写真では表情を伝えることができません。

柔らかな生地のため、体格のいい人よりは、小柄な方におすすめしたい生地です。

トラウザーズは細畝のベージュのコーデュロイ。

そして生地に余裕がありましたので、ジャケットと同じ生地でキャスケットもお作りしました。

揃いで被ってもよし。
別々で使ってもよし。

キャスケットも一つ持っておけば、コーディネートの幅が広がります。とっても便利なアイテムです。

M様、いつもご夫婦で楽しい時間をありがとうございます。

牧歌的カントリージャケット

農家をされながら、バンドを勤しむ若き紳士T様。

お母様が和装に精通されている方で、文化的なものの良さを早くから肌で感じてきています。

和装も、花火大会や観光地で写真撮影をするためのインスタントなものもありますが、奥深い分かる人だけ分かる世界もあります。

洋装も同様で、2着で4万円というオーダーの店もあれば、1着50万円するお店もあります。(わかりやすくあえて50万円という高い価格にしています)

それは一言で何が違うの?というのは答えづらいのですが(全部違うというのが答えなのです)、一つ言えるとすれば、そこに文化が入っているかどうか、という違いです。

2着で4万円というのは、役割は作業服に近いです。
ようは、現場が違うだけで、工事現場の作業服はワークマン的なものですが、現場が会議室であれば、それがスーツに変わるというだけです。

そこには仕事で使えるかどうか。という役割だけが存在しています

では1着50万円のスーツはどういうものなのかといえば、そこには役割とは別で、それを作るためにどのくらい人の手が加わったか。
その人はどのくらい熟練している人で、どんな技術をこの1着に落とし込んでくれたのか。

この生地はどのようなもので、なぜこれが使われたのか。

そのような、役割とは直接的には関係していないストーリーの部分の割合がとても多いのです

洋服よりもっと顕著なのは時計ですね。
1本1億円以上する時計がありますが、今や時計はアップルウォッチでよいわけで、なぜいまだに時間を見るだけのものにこんなお金をかけるんだ。
と思うのも頷けますが、そこに1億円という価格があるのは、それでも欲しいという市場があるからで、それはやはり人の手の関わり具合や、年代ものであるか、世界中で個数はどのくらいあるのか。など。
もはや実用的ではない部分で価格が決められています。

こんなもんいらねぇ!
物は使えればいいんだよ。

という方もいるでしょう。
それはその通りなので、何も異論はないのですが、わたしが今まで見てきた世界を考えますと、文化的なところにこだわりを持っている人ほど、自分の人生を自由に生きている人が多いなというのが実感としてあります。

利便性、快適さ、それだけで満足できる人は、世の中の大多数の人たちです。
しかし、それだけでは満足できない。
やはり良い物に囲まれて、本物を持ちたいというこだわりを持った方は、限りなくマイノリティになります。

自分の人生を生きたいのなら、マイノリティで生きることを決める必要があるとわたしは思います。

みんなと同じでいいよね!
という生き方に、実は自由さはないのです。

自由に自分の人生を生きること、それは自分の中で絶対に譲れないもの、こだわりを持つこと。
そして、ストーリーを大切に生きることで、そのような人たちと繋がることができます。

さぁ、和装から話がここまで来てしまいました笑

グリーンのツイードジャケットに、ネイビーのモールスキン。
農家のT様には、カントリーな柄がマッチします。

まだプリンプリンな硬さ、油の残っているツイードです。
これを着込んで、着倒して、どんどん自分のものにしていってください!

オッドベストでスリーピーススタイル

さて、そろそろ読むのも疲れてきたと思います。笑

まだまだありますが、今回はこちらで最後にいたします。

ブレイシーズスタイルに慣れると、ジャケパンのときにブレイシーズ(米:サスペンダー)を使わないことが、煩わしく感じてきます。
わたしはめんどくさがって着けないこともあるのですが、その辺はわたしのお客様の方がエリートで、必ず着けています!もうないのがありえません!というくらい、ブレイシーズの着け心地を理解していただいている方が多いです。

ジャケパンの時でも気兼ねなくブレイシーズを着けたい。
そういう方には、わたしはオッドベストをおすすめしたいです。

オッドベストとは、替えベスト、単品ベストのことを指します。
スリーピースのベストのように、揃いの生地ではなく、他の生地を使ったベストのことです。

家庭教師をされているH様。
室内で勉強を教える際、上着を脱ぐとネクタイがだらんとだらしなくなってしまう。上着を脱いでも締まるコーディネートにしたい。というご要望でした。

最近ではオフィスの中は暑いので、上着を脱いでいます。という方も多くいらっしゃると思います。

そのような方には、ぜひオッドベストを選んでいただきたいです。

オッドベストで使いやすい色は、一番はブラウン・ベージュ、時点でグレーでしょう。

まずはブラウンとベージュの合物の生地のものを揃えておく。そのようにいたしますと、クールビズの時のシャツ1枚になった時にも使うことができます。

また、冬に近い季節の時にも、ジャケットの中に合わせることができます。

厳密に言いますと、春秋用ではベージュ系、冬用ではブラウン。
このように季節と色で分けて選べば、迷うことも減ります。

Fox Brothersのツイードジャケットに、ライトブラウンのモールスキン。オッドベストは厚手のダークブラウンのキャバルリーツイル。

装いを変えてから、教え子のご家族からの評判が良くなったとお聞きしています。
確かに、パーカーで出向くこともできますが、そこにこのスタイルで行かれたら、「おおおー」となるのは通常の反応ですね。

装いを変えて、周りの人との人間関係がすこぶる良好になったというお話はよく耳にします。

今これだけカジュアル化された世の中で、あえて不便を楽しむわけですから。
それは見る人が見ればちゃんとわかってもらえます。

しかも、よくある”おしゃれスーツ”ではなく、きちんとスタイルを持った着こなしなので、そこはまた似て非なる物です。
その違いも、人は無意識で見分けできています。

ブランドものを持つのではなく、自分がブランドになる覚悟も持った人を、誰も批評する権利はありません

2023年、大変お世話になりました。

もしかすると、行きたかったけど、今年いけなかった!という方もいらっしゃるかもしれません。

もう、大ウェルカムですので、ぜひお待ちしております。

2024年も皆様にとって、素晴らしい年になることを心から願っております。

良いお年をお迎えください!

-Atelier BERUN-
東京表参道のオーダースーツ / 洋装士

Haruto Takeuchi / 竹内大途

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