自分を知る

BERUNです。

気がつけば1月も下旬になってしまいました!

1月は例年でいえば落ち着く時期なのですが、大変ありがたいことに忙しくさせていただいております。

年末年始でたくさんの品物が完成してまいりました。


兼ねてからずっと作りたかったプリントタイ。

早速オンラインショップにアップしたのですが、なかなか難易度が高いように見えるのが、動きが鈍いです。笑

柄選びは間違いないと自負しておりますので、時が来るのを待ちます。笑


そして冬のマストアイテム、ニットウェア。

洋服屋を営んでいて、お客様のコーディネートの幅をより広げたいと思うと、どうしてもニットは欠かせないアイテムです。

わたしはわかりやすく仕立て屋と言っていますが、この仕事をしている一番の目的は、ライフスタイル全体を通してお洒落を楽しむ人を増やしたいというところです。

よいスーツを仕立ててはい終わり、ではなく、洋服を仕立ててからが始まりと言っても過言ではありません。
BERUNに来ていただいた皆様には、オンのスーツ、オフのカジュアルスタイルまでお洒落を楽しんでいただきたいと思っております。
そのためには、わたしがよいと思うものを作り、それをご提案するのが一番間違いがないと思っておりますので、必要だと思うものから順にお作りしております。

ニットですが、10年程前までは、インポート物のオーセンティックなブランドがまだたくさん日本にセレクトしてありましたが、ここ数年でめっきり減りました。

これは流れ的に致し方のないことなのですが、オーセンティックなブランドが廃業、または買収によりモノづくりがガラッと変わってしまう。
または現地での価格が上がりすぎてしまい、日本に入れることが難しくなった。

それによって、その洋服に似ていて安価なモノづくりのブランドが台頭し、日の目を浴びる。

この連鎖により、良い物を手に取る機会が日に日に減ってきています。

わたしは洋服オタクなので、古着で昔ながらのものを買い漁り、
「やっぱこれが本物だよなぁ。」
と、しみじみ感心しているわけです。

なんだかここから自分の作った製品のことを話すのも気が引けるのですが、BERUNで新たに作成した2つのニットは、時代関係なく着続けていける素晴らしいものに仕上がりました。

柔らかなラムウールのクルーネックニット。

ガンジーニットのようなガシっとした質感のブリティッシュウールのタートルネック。

どちらもとても魅力的です。

ぜひ、オンラインショップでご覧いただけたら幸いです。

バルマカーンコート

Magee社の大柄なグレンチェックのツイード生地。
こちらを使ってバルマカーンコートをお仕立ていたしました。

これは生地で見ているときは、かなりの大柄なので、わたしでもさすがに100%イメージしきることはできませんでした。
(ほとんどの洋服は人生ゲームの洋服選びのように、その方にお勧めする洋服を着ている状態まで完全にイメージしきることができます。これは長年の勘です。)

ですが、この雰囲気でチェスターフィールドではなく、バルマカーンのように柔らかなコートにすると、いい仕上がりになるだろうと思いました。

Aラインのバルマカーンで、大柄なチェックを使うことで、より柄の大きさを楽しむことができます。

休日は革ジャンを着ることが多いというY様。
ワードローブの中に少しでもテーラードの要素が入ると、お出かけする場所に合わせて洋服を変える楽しみがありますので、より日々の過ごし方が立体的になりますね。

また、洋服先行で出かける場所を決めるという休日の過ごし方もあります。
この装いに似合うところにお出かけしたいね。
となり、それがピッタリマッチしたときの喜びは次の週末まで続くでしょう。笑

また、普通に近所の喫茶店に行き、コーヒーを飲みながら本を読む。そんな休日も最高じゃないですか。
なんてことない過ごし方ですが、そこに洋服が居合わせるだけで特別な休日に変わるのです。

スリーピーススーツ

高身長で肩幅が広く、恵まれた体格をお持ちのK様。
ない人からすると羨ましいなぁーとなりますが、体型に恵まれていると、既製品で選ぶ洋服が少なく、困ることも多いのです。

既製品は一般的な体型の方に合わせてお作りしておりますので、そこから離れれば離れるほど、既製品を格好よく着こなすことは難しくなります。

また、日本人の気質として、あまり目立つことをよしとしない人も多いので、せっかく理想的なお身体をしているのに、ゆったりとした洋服を着て身体を隠したりする方も多いです。

ビスポークスーツは、その人の身体に”寄り添うように”合わせ、その人の見せたくないところを隠し、活かしたいところを活かす。
そのようなスーツです。

お腹が出ていて気になる人は、ビスポークでしっかりと合わせることで、お腹のポッコリは目立たなくなり、他のその人の身体で実はとても魅力的な部分が引き立ちます。

人はマイナスに目が行きがちですが、いざマイナスが見えなくなると、自分の新しい価値観に出会うことがあります。

なぜわたしはスリーピーススーツを勧めるのか。
それはまさに、人の体型をより良く見せるためには、ベストがある方がよいからです。

こちらはネットで拾った写真ですが、ロバートデニーロともうひと方のツーショット写真。(もうひと方の名前がわかりません!笑)

これを見ていただくと、一流の演者は自分をより良く見せる術を知っているというのがわかります。

ポイントは、

・サスペンダー(ブレイシーズ)を着けているかどうか。
・股上が高いスラックスであるかどうか。
・ベストを着ているかどうか。

この3点です。

お腹の出ている人がブレイシーズを使わずにいると、お腹の下の部分でウエストラインが決まってしまいます。

そうしますと、足が短く見えてしまう。

もう一方のロバートデニーロを見てみましょう。

股上の深いスラックスを履き、ウエストのゆとりを持たせ、ブレイシーズで吊り上げています。

こうしますと、本来のウエストラインよりも高くスラックスのラインを作ることができるのです。

これは言ってしまえばチートです笑

マリオカートのショートカットのように、これを知っているかいないかでゲームの勝敗が完全についてしまいます。

自分をより良く見せるということは、何もひけらかすというような考え方ではなく、本来持って生まれたパフォーマンスを最大限にするために何ができるか、工夫をするということです。

そのレシピを知っているのがプロですので、自分が知らない自分を発見し、更に高みを目指していきたいということでしたら、やはり信頼のできるプロに託すというのは賢い選択だと思います。

肩幅があり、綺麗ななで肩のK様。

なで肩の方はよく、なで肩であることを残念がる方がいらっしゃるのですが、スーツはなで肩の人の方が似合うんですヨ。

といつもお伝えしております。

なぜかと言いますと、スーツの美しさのポイントは流線型だからです。

なで肩ですと、首から肩にかけて綺麗なラインが生まれ、ウエストラインへと魅力的な流線型を描いていくのです。

だから全国のなで肩組の皆さま、

安心してください。

スーツ、似合いますよ。

流行はつい一つ一つのディテールに目が行きがちです。

数年前までは、くるぶしフルオープンで裾幅17cmが俺流っしょ。

と熱く語っていたファッショニスタの方々も、2023年にはみなこぞって、フルレングス万歳。インの2タックでゆったりシルエットがカッコいいヨネ。

と船が折れるほどの舵を切りました。

ですがここで気をつけなくてはいけないのが、これらの変化には繋がりがないのです。

過去のスタイルは、

・くるぶし丈

・裾幅17cm

・タックなんて野暮ったい

でしたが、今は

・フルレングス

・裾幅23cmくらい太い方がクラシックでいいヨネ!!

・インの2タックがカッコいい

これは全体のバランスではなく、個々のディテールしか見ていないのです。

ノータックからインの2タックへ変化しているけれど、全体像はどのように変化しているのかは教えてもらっていないのです。

これが流行、トレンドの罠です。

これに陥ると、インの2タックにすればいいのか!となり、ディテールだけで選んだ結果、クラシックではなく、今っぽいスラックスになってしまうということが起こります。

そうではなく、自分の身体にそのスラックスは沿っているのか。

それが一番大事です。

そのポイントをしっかりおさえることで、トレンドではない洋服が手に入ります。

あと、一番大切なのは継続です。

ツルピタパンツ組からいきなりクラシック風イン2タック組に転校してきても、ガチクラシック組(なんだそれ笑)にはバレてしまいます。

大切なのは、同じ組で継続してスタイルを磨くこと。

それができれば、自分のスタイルが定着していきます。

継続は力なり、とはいつの時代も言われていることですが、こと現代のように、移り変わりが早い時代こそ、長く続けることの価値が高まっていくのだと思います。

-Atelier BERUN-
東京表参道のオーダースーツ / 洋装士

Haruto Takeuchi / 竹内大途

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自分を知る” への2件のフィードバック

  1. マーティン・スコセッシ監督ですね。次回作は遠藤周作の『イエスの生涯』のようです。

  2. 通りすがりに失礼します。
    De Niroと一緒に写っているのは映画監督の Matin Scorsese です。
    Killers of the Flower Moon の撮影時と思われます。

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