熟す愉しみ

BERUNです。

すっかりブログを書く時間がなく、中途半端に書き溜めた文章が山積みになってしまっています。汗
少しずつまとめていきます。

10月15日、日曜日に、日帰り弾丸奈良・大阪巡業をしてまいりました。
身体がもつうちは多少無理してでも行けるところに行きたいわけで。

奈良には私が習っている武家茶道、石州流の祖と言われる片桐石州の350年忌ということで、総本山の慈光院という場所にてお茶会を開くことになり、そのお手伝いに行ってまいりました。

早朝にお邪魔しました。
朝焼けが美しく、前日までの雨が相まってとても幻想的な風景でした。

茶道に関わっている、またはお知り合いのお客様方が総勢200名いらしたのですが、その来られた方々の凛とした佇まいに、言葉を飲むばかりでした。

決して身体のプロポーションが美しいわけではない。
何か年齢に逆らうようなことをしているわけでもない。
ただ、歳とともに生きている。
それなのに美しい。

人として、なんだか理想的な歳の重ね方をしているように感じられました。

果物や野菜も、円熟するまでは時間がかかります。
熟して実りの頃になったと思いきや、そこから腐るのは早いものです。

茶会に参加されていた方々を見ていて、とても美しく歳を重ねられた方を多く見かけました。
日本では歳を重ねることに対して後ろめたい気持ちがある方が多いようで、そのためにアンチエイジングにコストをかけて一生懸命に若さを保とうとします。

抗っていない、そのまま自然に歳を重ねられてきた雰囲気。それでいて枯れていない。
80過ぎのお方もたくさんいらっしゃいましたが、間違いなく、その方の人生で今が一番格好いい時代だと感じました。

自分🟰今までの人生の積み重ね

でしかない、人の人生。

今この一瞬を全身全霊で生きること。
我々人間にできることはそれしかないのです。

未来の自分は今の努力の積み重ねです。
今サボると未来の自分は目指している自分ではないかもしれない。
だからこそ、今を大切に生きる。

20,30,40代は、果物や野菜にしても、まだまだ青く食べられない頃でしょう。
多くの人は、その頃がまるで花形かのように勘違いしがちですが、本当にその人の魅力が出るのは、人生が熟した後半なのではないかと思います。

青い時代に光と水と栄養をしっかりと受けた野菜たちは、立派な野菜に育ちます。

これはX(Twitter)でも買いたのですが、私が茶道を始めたのが4年程前で、当初はやり続けることで、すごい人になるんじゃないか!なんて漠然とした理想を持っていました。
ですが、学べば学ぶほど、私は私にしかなれないんだということに行き着きます。
つまり、人生とは、”私”の純度を上げていくこと。
“私”を研ぎ澄ませていくことに尽きるのだということ。

今を何も否定せず、そのままでよし。
すべて受け入れること。そこからしか何も始まらないのだと思います。

人生に攻略本のようなものは一見あるように見えますが、それは自分を磨くのではなく、自分に上塗りをしている行為です。
早く人生で効果は出るかもしれませんが、それは永続的ではありません。

自分を磨く。
じゃあどうすればいいんだ?と困る方がいるかもしれませんが、それを探しながら迷いながらやっていくのが人生なのだと思います。

何でもかんでも、「サラリーマンから1ヶ月で起業」「誰でも即年収1,000万円」「誰でも副業で本業より稼ぐ!!」
など、色々と甘い言葉が多い世の中です。

もっと時間をかけて、ゆっくりでいいのです。
人生は長いですから

よく歳を取るごとに時間の進みが早くなるという意見がありますが、これは同じことのルーティンや、見たもの、聞いたことのあるものにしか触れていないと、人は体感で時間が早く進むように感じるようにできています。

つまり、常に新しいことに取り組み続けて、チャレンジしている人は、時間の進みが早いと感じることはないのです。
実際わたしは、まだ35歳かぁ、と思っています。
格好いいオヤジになりたいために、あと30〜40年かけて、男を磨いていきたいなと思うので、そこにいくためには今何を学ぶのがいいだろうか。
と考えます。

今年の初めから、苦手分野だった書道を習い始めましたが、毎回自分の下手さ具合に打ちのめされます。
歳をとっても常に何かに挑戦して、失敗し続けられる人生を私は選びたいです。

つくづく思うのですが、たかだか30数年しか生きていない私が、いい悪いの判断なんてできるはずがないと思っています。
これは自分を卑下しているのではなく、自信がないわけでもなく、ただ世の中には自分が知らない魅力的なものがたくさんあるだろうという大きな期待です。

だから、コレはダメだ、コレは向かない、と決めつけず、まずビビっと来たらやってみる。
そうでなくては、自分が止まってしまいます。

円熟するのは人生の後半です。
青くさい今を思い切り学び、楽しむことで、なんとも言えない魅力的な人になれるのではないかと思います。

旅のお供はKeiichiroのエレファントレザーのボストンバッグ。

寺に負けない荘厳な雰囲気です。

大阪ヴィンテージ

せっかく関西方面に来たので、茶会が終わり次第すぐに電車に飛び乗り、大阪の生地屋に立ち寄りました。

秋冬が始まり、少しずつ店内の生地も出ていっていたところでしたので、いいものがあればいっぱい買い付けようと思っていました。

結果。

買いすぎました。

これで全てではありません。笑
今回買い付けたものは、主に90~00年代のセミヴィンテージと呼ばれる、私が思うギリギリいいものを作っていた時代の生地たち。
今もいいものは作られてはいますが、やはり母数が少なくなっています。

いやぁ、昔の生地で、シンプルで今の時代にも使える格好いいものが見つかると嬉しいですね。

先週の出来事でしたので、すでにこれらの生地はBERUNに届いております。

早速、タイミングよく届いたその日に来られた方もいらっしゃいまして、その中から選んでいただいたりしました。

秋冬はまだまだこれからです!

-Atelier BERUN-
東京表参道のオーダースーツ / 洋装士

Haruto Takeuchi / 竹内大途

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