秋冬の素材を愉しむ

BERUNです。

11月も後半。
9月頃に秋物をご注文いただいた方の洋服が完成してきております。
タイムレスなものですので、いつどの季節のお洋服を作りに来ていただいても大丈夫です。

日々、全国からお客様にお越しいただいております。
物を贖ったり、体験をするとき、距離は関係ないと私も思っております。
その人に会いに行く。それも人生の楽しみとしてあるとフットワークが軽くなりますね。

シンプルイズザベスト

スコットランドに一時期お住まいであったO様。
正統派のブリティッシュスタイルをお仕立ていたしました。

まずは最初の1着目ということで、ネイビーフランネルのジャケットに、グレーフランネルのトラウザーズ。ジャケットの生地はW Bill社のもの。
ラーメン屋に行ったら、まず”店主のおすすめ”を頼むようなものですね。

シンプルなアイテムこそ、その店の力量が試されます。

ジャケットは300gms、トラウザーズが440gms。
上は軽く、下を厚く、というのが私の考え方です。

肩をしっかりと出し、バストにゆとりを持たせる。
そうすることで、ウエスト周りはぎゅっと絞らなくとも、自然にシェイプされて見えます。

既製服は全体をタイトに仕上げなくては、多くの身体に合わせることができないため、洋服のサイズにメリハリを持たせるということが難しいです。

身体に合わせたゆとりを愉しむビスポークと、洋服のシルエットを楽しむ既製服。

身体が主役か、洋服が主役かの違いです

そこに、ビスポークと既製服の違いがあります。

なんだか今年からインの2タックが増えてきましたね。笑

3年前ほどまでは、腰回りがすっきりするのでノータック、と言っていたファッショニスタも、こぞってインの2タックプリーツを履いています。

そのような方々が、5年後どのような洋服を着ているのか、静観してみましょう。

時代に合わせてコロコロ格好を変える人は、自分のスタイルを作り上げていくことができません。

クラシックスタイルのように、一貫したスタイルを持っている人は、一見すると何年も同じような洋服を着ているように思われがちですが、同じ場所にいることで深みを出していくことができます。

何年、十何年、何十年と培っていくことで、その人の人間味も含めた着こなしになっていきます。

そうなると、洋服がおしゃべりでなくても、その人自身の雰囲気が語ってくれるので、あとは何も小細工はいらないのです。

洋服を選ぶのを楽しむのではなく、人生を楽しむ。その中に洋服がある。
私は洋服との付き合い方は、そのくらいの塩梅で十分だと思っています。

O様には合わせてチェスターフィールドコートをお仕立ていたしました。
ウールのネイビーヘリンボーン。

ここまで潔い、正統派の着こなしもなかなかないでしょう!
あとはマフラーを仕込めば、真冬もどんと来いです。

O様、わざわざ関西方面から日帰りでお越しいただきましてありがとうございました。

もうお一方、同じネイビーフランネルとグレーフランネルの組み合わせ。

シンプルでどこも寄っているところ、シワがない。無口でありながら強い存在感がある。

シンプルを極めることの力強さはそこにあります。

見る人が見ないとわからない。でも見る人が見たら、「綺麗な仕立てですね!」となる。


これみよがしにトーカティブな洋服というのは、私の主義ではありません。

洋服は主人より前に出てはいけないのです。
主人を引き立てるためにあるのです。

そのバランスは間違えてはいけません。

K様、ありがとうございました!

大人のカジュアル、コーデュロイスーツ

休日でもスーツを、という方にぜひおすすめしたいのが、コーデュロイでスーツを仕立てるということ。

こちらはグレーのコーデュロイ。
なんともいえない、上品な印象があります。

この日着てこられた、昔BERUNでオーダーでお作りしたミドルゲージのタートルネックの上に合わせております。

コーデュロイスーツとなると、シャツやネクタイでももちろんいいのですが、このくらいカジュアルな着こなしもとても素敵です。

コーデュロイという素材の特性上、上下別々で着ることも可能です。
トラウザーズはもちろん使い倒せます。
ジャケット単体としてもかなり使いやすいので、コーディネートの幅が広がります。

コーデュロイでも、トラウザーズは基本、インタックのノーベルト、サイド尾錠のスタイルです。

こういう休日着があると、秋冬のお洒落を思う存分楽しめますね!

アルスターコートを着てどこに行こう

貴族の旅行用コート、アルスターコート。

チェスターフィールドコートとはまた異なる上品さがあります。

ベージュカラーのヘリンボーンでお仕立てしました。

この大きな襟がアルスターの最大の特徴です。
大人のゆとりを感じます。

どこもキツくない、どこも余っていないからこそ、この背中のラインが出ます。

コートを着ると、早く寒くなってほしい!と思いますね。

F様、いつもありがとうございます。


-Atelier BERUN-
東京表参道のオーダースーツ / 洋装士

Haruto Takeuchi / 竹内大途

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