秋冬スーツ、ツイードスーツ

BERUNです。

ようやくコートを着られる季節になりました。
お洒落本番の季節です。

スーツ、コート、色々と出来上がってきております。

スーツに合う鞄は?

以前動画で、スーツに合う鞄についてお話ししました。
基本的なお話ですが、ダレスバッグ、ブリーフケース、アタッシュケース。
この辺りを押さえておけば間違いありません。

モダン派の人たちは、そんなの時代錯誤だなんて言いますが、私が伝えているのは伝統です。
過去からあるものを受け継いでいく。
それを私がやっているだけです。
つまり、私の意思はほとんどないと言っていいのかもしれません。(勝手に出るのですが、それは致し方のないことです)

伝統の前では、一個人の意見なんて小石のようなものです。

伝統を破壊して前に行く者、伝統を重んじて伝えていく者。
どちらも必要なのです。

初めてお越しいただいたS様。
良いものを長く使いたい、という真っ当な感覚をお持ちの方です。
良いものは価値が下がりません。
価値というのは市場に出したときに測れる価格も一つの物差しですが、それだけを言うのでしたらビスポークという選択はしないほうがいいでしょう。

ビスポークは二次流通になると二束三文の価格になります。(ジョンロブパリで誂えた100万円超えのビスポークを下取りに出すと数万〜10万円ちょっとです)

ビスポークは下取りに出すものではありません。
ビスポークした物は、長く着続けることで、その価値が最大化していきます。
2,3年で着られなくなるのはもったいないです。

5年着て、そこからお釣りが来る感じでしょう。
10,20年着れば、もう支払った額の何倍も対価を得ていると思います。

買い物はそのような物を買っていくことで、自分が支払ったもの以上の価値を手にすることができます。

何も投資だけが投資ではないのです。
投資はお金でお金を増やす一つの手段。
物を買って人生の価値を増やすことも立派な投資です。

ど真ん中ストレートのネイビースリーピーススーツ。
S様には、初見でお会いしたとき、眼鏡が気になりまして、大変恐縮ですがと、顔の一部である眼鏡の大切さについてお話ししました。
そして私が思うS様に似合う眼鏡の形を伝えて、お勧めの眼鏡屋さんも紹介しました。(1円モモラッテマセンヨ笑)
なんと嬉しいことに、その足で眼鏡屋に行かれてその日に購入したそうです!
当日はその眼鏡をかけて来ていただきました。

また、同日お勧めしていたグローブトロッターも持って来られました。
眼鏡、スーツ、ネクタイ、シャツ、鞄。
これらが変わるとその人の見た目だけではなく、もっと大きな部分が変化します。

在り方が変わり始めるといいましょうか。
その前兆を感じるのです。

そしてそのスタイルを貫くことで、数ヶ月もすれば確実にマインドが変化していきます。
それは着れば着るほど増していきます。

私が、スーツを神棚に上げないでくださいネ。
と話しているのはそういうことです。

気負わずガンガン当たり前のように着ること。
それは当たり前の基準を上げることなのです。

自分自身の当たり前の基準を上げることは自分にしかできません。
その背中を洋服が押してくれる。そんなイメージです。

S様は古い懐中時計もお持ちでした。
フィッティングをしながらそんな話になり、だったらチェーンホールを付けましょう!となり、ウエストコートに付けました。
こういうのも、ファッションというより、その人のライフスタイルに合っているから付ける。そういうくらいの捉え方がいいと思います。
そこの道を外すとコテコテコスプレお兄さんになってしまいますから。

クラシックを踏襲して現代を生きることと、クラシックの世界を生き続けることは、似て非なるものです。

京都からいつもお越しのW様。
普段からワークアウトをしているため、身体がとても綺麗なプロポーションをしています。
男が惚れるってやつですね。


W様は、英国王室の方のスーツの着こなしに大変感銘を受けたそうで、トラウザーズのサイズ感をゆとりを持たせたいとお話ししてくださいました。
私といたしましては、そこはいつも程よくブレーキをかけているところですので、そこはブレーキ踏まなくてもいいですよ、と言われたら、では思い切っていきましょう。とアウトバーンモードになるわけです。

裾幅は23cm。決して広すぎず、でも綺麗なドレープ感が出ます。

グレーのシンプルなスーツに、合わせて来られた鞄は万双のダレスバッグ。
重厚なイメージのあるダレスバッグは、2つマチ位のスッキリしているものの方が見た目の印象はバランスがいいと私は思います。
3つマチはそれこそ、ドクターバッグのように、そういう物が必要な人が持つもの。そんなイメージです。

シンプルな着こなしは毎日着ても飽きません。

ツイードスリーピース

今年は私の勧めで、ツイードスリーピース道に入門(笑)される方が増えて、大変嬉しいです。
以前動画でツイードのスリーピーススーツについてお話ししまして、それから来られるお客様で何名かご相談をいただきました。

ですが私の中で、この方はスリーピースじゃなく、ツイードのジャケットにモールスキンの方がいい!という方もいらっしゃいます。
動画はあくまでマスに伝える媒体ですので、私が伝えたいことを伝えるにはとてもいいものなのですが、それが一人一人に確実にイイ!と確約することはできないのです。
なので、BERUNに来ていただけたら確実に何がいいのかお勧めできますよ笑

ツイードスリーピースは大柄な方でないと難しいのではないか?

否。

体格は関係ありません。
その方に合うかどうかです。
そしてその物差しは何かの指標で測ることはできません。
全て経験からの感覚です。

それが多くの方にとっては難しく、不安なんですよね。
だから、カラー診断などのように、あなたに似合うものはコレデスよ。と指し示してもらえると助かりますよね。

ですが、こういう測りが生まれたのは本当に最近の話です。
私たち人間はもっと感覚的な生き物のはずです。
感覚を頼りに、これがいい、これは違うカモ。
と、自分の肌で感じることがとても大切だと私は思います。

相変わらず脱線ブログですが、ツイードのスリーピースはとっても格好良いです。

小柄なK様ですが、とても素敵にツイードのスリーピースを着こなしてくださいました。

もはやBERUNではお決まりの同じ生地で仕立てるブレイシーズ(サスペンダー)。4ピーススタイル。

何も言うことはありません。とっても格好いいです。

帰り道、早速声をかけられたそうです。
男性がオシャレをして同性に声をかけられる。
そんなオシャレは他にあるでしょうか。
そうやって普段出会うことがない人と、新たに繋がっていける。

「あなたもわかりますか!この世界観の魅力に!」
というように。

それもこのトラディションなスタイルの醍醐味だと思います。

もうお一方、ガッチリした体格のS様。
ブレイシーズで吊り上げることで、トラウザーズのシルエットが格段に綺麗になります。

裏地はコットンキュプラ。
キュプラ100%だと光沢がキラキラしますが、コットンが入ることでしっとりとした質感になります。

この裏地も廃盤になってしまったそうで、私が残りの分は確保しましたが、5年先はもうないでしょう。
最近はそういう話ばかりで残念な気持ちになりますが、新たな出会いもあるでしょうから、そちらを楽しみに待ちたいと思います。

S様もとっても素敵に着こなしてくださいました。
「仕事でこれを着ていったら目立ち過ぎるから、まずはジャケットだけで行こうかな」
とお話ししていました。
そういう使い方ももちろんOKです。

長い年月じっくり時間をかけて楽しんでいってください。

-Atelier BERUN-
東京表参道のオーダースーツ / 洋装士

Haruto Takeuchi / 竹内大途

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